折り折りの記
U  2002年 9月〜

 

2002年 9月 26日(木)
天  気;  晴 見出し;  日比谷公園

  仕事を終えて日比谷公園を散策した。ケヤキや楓の紅葉はまだだったが、ちょうどキンモクセイが満開だった。
  今年上半期の芥川賞を受賞した、長崎県出身、吉田脩一氏の「パーク・ライフ」の舞台がこの日比谷公園。
  公園というライフ(生活)のない場所での出来事が淡々と描かれているのだが、審査員の評価は分かれていた。作品の表題と内容が見事に重なった完成度の高い作品と激賞する審査員に対し、ドラマ性がない、底が浅い、稀薄だという審査員も。
  
  作品を思い出しながら改めて日比谷公園を歩いてみると、作品に登場する人物によく似た人たちが歩いていたり、ベンチに座っていたりした。大都会の空間の中で孤独に生きている人間をさりげなく、とりとめもなく、淡々と描いている技量は受賞に値すると思った。                                                               

 

2002年 9月 17日(火)
天  気;  晴 見出し;  痛恨

  歴史的な日朝首脳会談が行われた。外交上は成功したのかもしれないが、日本国民にとっては痛恨の一日だった。
  拉致された人のうち4人生存、6人死亡が伝えられた。まさか6人も 死亡していたなんて。もし、これが本当だったら・・・拉致されて、自由を奪われて、無理矢理こどもを作らされて、そして殺された?のだとしたら・・・家族の心中を思うとなんともいたたまれない。ぜひ、真実を知らせてほしい。
  予想通り、南の韓国に工作員を送り込むため、日本語を習得させるための手段として拉致したとの説明。平和ぼけの日本も危険と隣あわせなのだということを痛感。一日も早い国交正常化が望まれる。
  それにしても25年も手をうてなかったというのは、疑問が残る。                                                               

 

2002年 9月 8日(日)
天  気;  晴 見出し;  県民性

   同郷の佐賀出身で今は北国仙台に住むMさんに会った。初めて会ったのに昔からの友人のように、緊張することなく自然体で 話すことができた。
  Mさんのお人柄によるところが大きいのだが、同郷人ということもあるのかもしれない。
  
  誰かが教えてくれたが、長崎の県民性は人なつっこくて、360度中300度は開放してすぐ友人になるが、残りの60度はなかなか心を開けてくれないよと。
  北国の人はその逆で最初は60度しか開けてくれないけれど、気に入ったらそのうち360度すべてを開けて付き合ってくれるんだって。
  私も長崎の隣の県の出身だからどちらかというと残りの60度は開けないタイプ。その私の気持ちにお構いなく自分から360度心を開けて、腕を広げてどんどん飛び込んで来るのが沖縄の友人たちでした。いろいろ違うね、県民性。
  
  Mさんの感性には、残りの60度も開けてお付き合いしてみたいと思った一日でした。                                                               

 

2002年 9月 1日(日)
天  気;  台風一過晴れ 見出し;  急性アルコール中毒

   長い職業生活の中で初の男性部下K君。今日、職場対抗親睦ソフト大会があり、K君はAチームにいれてもらいプレーした。 Aチームは早々に敗退したため、三々五々飲み始めた。しばらくたって気がついたらK君がダウンしていた。周りに食べた物を嘔吐し、死んだように動かない。急性アルコール中毒ではと内心覚悟した。
  男性諸君は慣れたもの、大丈夫!大丈夫!男は誰でも一度は経験するもの、しばらく寝かせておきましょうとのこと。それからしばらくして、数人がかりで水を無理矢理飲ませたり、頭から水をかけたり、のどに指をつっこんで無理にはかせたりして介抱。嘔吐は落ち着いたが足が立たない。一人おいておくのは危険だと判断して、我が家に連れ帰り、寝かせることにした。
  その様子を見ていて、職場の中での男と女の鍛えられ方、育て方の違いを痛切に感じた。
  
  酒を飲んで、ひっくり返って、面倒を見てもらいながら、男同志の仲間意識が育って男社会ができていくのだ。
  女同志はこんな鍛えられ方はないし、また望まない。
  こんなところから職場での男と女の力が少しづつ開いていくのかもしれないと思った。                                                               

 
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