わたしの本棚
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作品名;  剣客商売 シリーズ 16冊 著  者;  池波 正太郎 発行社;  新潮社(新潮文庫)

  何気なく読み始めたらやめられなくなって、ついにははまってしまった。文庫本16シリーズだが次も読みたい、次もということで一気に読んでしまった。
  気持ちが落ち込んだとき、仕事で疲れた時、気分を変えるには最高。スカッとして、そして気持ちが安らぐ。
  剣と人生の達人、秋山小兵衛。1冊目では59歳から始まり最後は75歳で終わる白髪頭の粋な老人。小兵衛には、息子より若い40歳も離れた若い女房 はる がいる。息子の大治郎はシリーズが進むうちに逞しい立派な剣客に成長し、老中田沼意次の妾腹の娘で凛々しい女武芸者佐々木三冬を妻にする。小兵衛と息子大治郎、その妻三冬のコンビで江戸の悪事を斬っていく。
  小兵衛は、さむらいの剣術も世渡りの道具として使い、大金を手に入れるのがうまいが、使うのもうまい。気持ちよく使う。金に困らず、立派な息子がいて、しかも40歳も離れた若い女房にかしづかれて何ともうらやましい老後の生活である。
  この作品のもう一つの楽しみは、江戸情緒に浸れるということ。特に季節感溢れる食べ物が随所にでてくるのは楽しい。
  たとえばこんな具合
  初夏・・・・小口茄子に切り胡麻の味噌の吸い物にかつおのさしみ、あわびの蒸しものに味噌をあしらったもの
  冬・・・・・・根深汁(ねぎの味噌汁) 柚子切そば 鮒飯(内臓とうろこをとった鮒をみじんにたたきごまの油でいため、酒と醤油でいためたものを熱い飯にたっぷりとかける)  などなど。

 
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