2012年度 唐津市予算に関する申し入れ
 
唐津市長 坂井俊之様
 
2011年12月26日
 
日本共産党・まつら唐津市議団
浦田関夫
吉原真由美
志佐治徳
 
はじめに
 市長におかれましては、行財政の調整や市民生活向上に鋭意努力されていることに敬意を表します。
 3・11の東日本大震災後の福島第一原子力発電所の事故は、「5重の壁」で守られているという「安全神話」が崩壊し人災であった。それから9ヵ月が経過しても収束といえる状況ではなく、いまだに住みなれたわが家に帰れない人が15万人を超えていることは、玄海原発を抱える唐津市にとって対岸の火事と看過できない事態である。
 民主党は、2009年に国民の「生活第一」という圧倒的願いを受けて「政権交代」を実現したものの国民の期待を裏切り、公約をことごとく破り自公政権への回帰を果たしている。
 こうした状況の下、市民の暮らしは、国政において相変わらず大企業優先の政治を推進しているため、貧困と格差はますますひどくなっている。そのうえ、「税と社会保障の一体改革」という名の下、社会保障の財源とし消費税増税がマスコミも動員して声高に計画されているが、住民負担、自己責任を押し付けるものである。
 唐津市においては、この3年間で市民の収入が135億円も減少し、市民は閉塞感に支配されている。地方自治体の役割は、国の悪政の防波堤となり、住民の暮らしと福祉を守る砦として、その役割を果たさなければならない。
 2012年度予算編成にあたり、下記の要望事項について、善処されるよう申し入れる。
 
重点要望事項
・TPPに反対すること。
・障がい者に対する理解と働く場所・作業所などの拡充を求める。
・一人親家庭と重度心身障害者医療助成で現物給付を実施すること。
・住宅リフォーム制度への支援は30万円以上の工事、商店などにも拡充を求める
・国保制度を佐賀県を一単位とする広域化には、国・県の責任が不明確であり、広域化協議には慎重に対応すること。
・保育型児童館の分園化は、安全・安心の保育のために設備と人員の確保ができるまで1年間実施を延ばすことを求める。もし、実施するのであれば、1月から3月まで福祉課の担当職員を増員し、児童館と本園との調整に万全を期すこと。
・消防署中央派出所の分署引き上げを早めること。
・九州電力との「安全協定」を玄海町並みの条件で、ただちに締結すること。
・玄海原発周辺における避難道路の早期整備を求める。
 
安全・安心の唐津市を求めて
1、国民健康保険、介護保険料、後期高齢者医療保険が大きな市民負担となっていることから、生活実態に合った保険料(税)設定に改めること。
 ・国保会計に一般会計からの繰入を行い、国保税を一人1万円引き下げること。
 ・国保税滞納世帯への「資格証」発行を改め、誰でも安心して医療にかかれるようにすること。
 ・現在行われている「がん検診・特定検診」の無料化を引き続き実施されること。
 ・国保法第44条に基づく窓口負担軽減策を行うこと。
 ・障害者福祉センターの建設を急ぐこと。
2、子どもたちが一人の「人格者」として大切にされ、生命の誕生から十分な支援が受けられる環境づくりを目的にした「子ども条例」(仮称)の制定を求める。
 ・すべての中学校で、学校給食を実施すること。
 ・一人親家庭と重度心身障害者医療助成で現物給付を実施すること。
3、地場産業の抜本的支援を行うこと
 ・唐津市の基幹産業である農業と漁業を守り発展させるために、TPPに反対すること。
 ・地場産業の抜本的支援を行うに当たり、すべての業者の聞き取り調査を行うこと。特に、周辺部の個人事業者への支援を求める。
 ・住宅リフォーム制度への支援は30万円以上の工事、商店などにも拡充を求める。
 ・イノシシや猿等有害鳥獣による被害対策を強化すること。
 ・ローカル発注制度による地元業者の支援を強化すること。
4、保育園・学校の統廃合は、子育てや教育及び地域一体的な観点から、「地域を守りたい」と切望している住民の意見を十分尊重されること。
 ・消防団員の定数見直しと設備・待遇の充実を求める。
5、自然環境と市民の命と健康を守ること
 ・太陽光、風力、小水力、バイオマス発電など再生可能なエネルギー開発を積極的に行うこと。
 ・玄海原子力発電所のすべての原子炉の廃炉に期日を定めること。特に、危険なプルサーマル計画の中止や老朽化した玄海原発1号機の早期廃炉を求める。
 ・玄海原子力発電所の防災訓練は実態に即したものに改めること。
 ・障がい者に対する理解と働く場所・作業所などの拡充を求める。
 ・お年寄りや障がい者が「買物難民」となり、毎日の生活に支障きたしています。巡回販売車、買い物バスの導入など具体的な支援を求める。
 ・ユニバーサルデザインのまちづくりを一層推進することを求める。
 ・日赤唐津病院の移転候補地の早期決定と地域医療体制の充実を求める。
6、市庁舎建設計画は当面凍結し、小中学校の耐震化工事と教育環境の整備を急ぐこと。
 ・支所では職員が激減し市民の不安は増幅している。支所機能の一層の強化で住民サービスの向上を求める。
 ・学校校舎の耐震化工事と普通教室においても冷房機器の設置を求める。
7、公正で透明性のある市政を
 ・市営住宅に入居を希望しながら、多数の方が入居できずにいます。同和住宅は「地域住民のみ」公募で、長期間空き家となっている住宅もある。希望者が入居できるように、すべての市営住宅の公募を行うこと。
 ・市長部局と教育長部局は独立した機関であり、支所における「総務教育課」」を廃止し、おのおの独立した部署にすることを求める。
 ・市内には数多くの文化遺産が評価されることなく失われようとしている。それらを全面調査し、その結果に基づく適切な保存を求める。
 ・同和運動体に対する優遇策の根拠となっている「部落差別撤廃・人権擁護に関する条例」を改廃し、真に人権が尊重される行政への転換を図る。
8、地域審議会が一層の地域の活性化に寄与できるよう権限強化をおこない、諮問機関としてだけでなく、地域づくりに関与できるよう一定の予算と権限を与えるように求める。
9、4年ごとに受け取る市特別職の退職金は市民感覚から乖離している。当面半減を求める。
以上