唐津民報第305号
2018/5/20
3・4号機相次ぎトラブル
どうなっている玄海原発
市民に不安広まる
 九州電力は3日、玄海原発4号機で1次冷却水を循環させるポンプで異常が見つかり、機器を分解点検すると発表しました。放射性物質の漏れはないということですが、3号機が3月30日に、二次系の蒸気漏れ事故をお起こしたばかりです。
 原子力規制委員会の「新規制基準」検査の承認後に、こうした問題が発生は、丁寧な検査がされたのか不信感が募ります。
 「二度あることは三度ある」「小さなトラブルが続くと大きな事故も起こるのではないか」と市民の不安が広がっています。
 
連絡が大幅遅れに不満
 3号機の事故の際、情報伝達は佐賀県をはじめ、唐津市、伊万里市などへの2時間以上かかったことも市民の反発もあります。
 九電は国、県と一体となった説明会を各地で開き、「事故を起こさないように最善を尽くす」「過酷事故が起きても対応ができる対策をとる」「丁寧な説明をしていく」などと説明していました。
 
九電、再稼働優先
 しかし、今回の事故で明らかになったことは、何が何でも再稼働へ突き進むためのものであったことは、今回の九電の対応を見れば明らかです。
 しかも九電は、住民団体からの文書による質問や申し入れについて、回答するどころか、最近は受け付ける姿さえ見られません。
 
4号機は1次系 1〜3月に部品交換
 4号機は4月24日に燃料装てんを終え、5月25日前後に再稼働する予定でしたが大幅に遅れる見通しです。
 異常が見つかったのは、4台あるポンプのうち2台です。ポンプの軸部分の隙間からモーター側への冷却水流入を防ぐための「シール部」と呼ばれる装置で、流入防止用の水が通常は1時間当たり30gほどタンクに戻るのが、70gと通常の2倍以上の流入があっていました。
 九電は、異常が見つかった1次冷却水ポンプ2台を分解点検することを決め、作業に入っています。
 ポンプは1997年の運転開始当初から使っていました。異常が見つかったシール部は、今年1〜3月に交換していました。
 
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玄海原発対策特別委員会
九電が3号機トラブルで陳謝
周辺自治体の「同意権」で研究へ
 
「玄海原発対策特別委員会」は、5月2日、本会議場で開かれ、九電から玄海3号機の蒸気発生漏れについて遅ればせながら原因と対策について説明しました。
九電は、議員の質問の趣旨に都合の悪い点ははぐらかし答えないものでした。
浦田関夫議員は、「唐津市議会から九電に、4月初めに説明に来るように求めていたにも係わらず、3号機を動かした後の1ヶ月が経過した今になった」と遅れた理由を質問しました。
 
再稼働にまっしぐら
 九電は、「議会からの要請があった」ことも答えませんでした。
九電はこれまで、「丁寧な説明と理解を求めて参ります」という姿勢で、原発再稼働をすすめておきながら、いざ動かすことが決まると、議会や住民への説明は後景に押しやり、再稼働へまっしぐらの感さえします。
 
東海第二原発同意自治体を拡大 
 特別委員会は、東海第二原発立地自治体だけでなく周辺5自治体に「同意権」の範囲を広げた日本原子力発電東海第2原発が3月に協定を結んだことを参考に、同意権の拡大を検討課題として協議していく事になりました。
 玄海原発の再稼働同意は、立地する玄海町と佐賀県だけとなっており、唐津市やほとんどが30キロ圏に入る伊万里市には権限は与えられていません。
 この日の特別委は、日本原電と30キロ圏の5市が3月に結んだ新安全協定に関し、桜庭総務部長が、新協定は新増設や原則40年運転の延長を決める際に、5市にも事前説明をしたり事前了解を得たりする仕組みとなっていることを説明しました。特別委は研究課題として調査していくことになりました。
 同意権の拡大を巡り、峰達郎市長は3月の特別委で県と相談して検討する考えを示しています。
 
いま憲法9条が危ない
戦争できる仕組みづくり
党議員団「憲法守ろう」と街宣
 
 今年の5月3日は、日本国憲法施行71年目の憲法記念日でした。 安倍晋三首相は、何が何でも憲法9条に「自衛隊」を書き込むことに執念を燃やしています。
 憲法の前文には、「政府の行為によって再び、戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」と9条で「戦争放棄」と「武力の不保持」を明記しています。
 戦後73年、日本が一度も戦前のような悲惨な戦争に巻き込まれず平和で暮らすことが出来たのは「日本国憲法」のお陰です。
 しかし、安倍首相は、その土台を崩そうとしています。
 そもそも憲法は、国家権力を縛る最高法規であります。行政府の長である安倍首相が改憲の旗を振る」こと自体が立憲主義を逸脱したといわなければなりません。
 
安倍内閣は三権分立を壊す
 この間、森友学園の国有地を格安で売却し、その取り引きをめぐる公文書が改ざんされたことが国会で大問題となっています。
 公文書の改ざんは、憲法の基本原理である「三権分立」の根幹にかかわる重大な事です。
 いま政権を揺るがしている、森友・加計学園の問題で共通しているのは、首相の側近に、特別な便宜を図られたのではないかと言うことです。
 南スーダンでの「日報」では、自衛隊活動が「戦場であった」ことが隠されていました。  まさに、シビリアンコントロールが大きく崩れています。
安倍首相は、このような経緯を説明しようとしていません。
 
憲法を壊して安倍首相に資格なし
 安倍首相はこれまで、国民の知る権利を奪う「特定秘密保護法」、
歴代内閣が憲法違反としてきた、集団的自衛権に道を開く「安全保障関連法」=戦争法、国民を取り締まる「共謀罪法」を「数の力」で次々と憲法違反の法律を強行成立させました。
 憲法を壊してきた安倍首相に憲法を変える資格も語る資格もありません。
変えるべきは、憲法ではなく、憲法をないがしろにしてきた政治ではないでしょうか。
安倍首相は、昨年の「憲法記念日」に「憲法9条に、新たに自衛隊を明記し2020年までに施行させる」と言明しました。
 
国民は、改憲にノー
 しかし国民は、憲法を変えることを望んでいるでしょうか。
 朝日新聞の世論調査では、安倍政権のもとで改憲に反対が約6割。賛成が3割と反対がほぼ倍を示しています。
 
安倍内閣はウソをつかない政治を
 国民が望んでいる政策の順位は、社会保障、年金の充実、雇用や景気回復です。改憲は最下位であります。
 いま、安倍首相が取り組まなければならないのは、一連の不祥事の全容を解明し、憲法に基づくウソをつかない政治はないでしょうか。
 
憲法9条守れ 3000万署名を
 日本共産党と市民団体及び野党とも共同して、「憲9条を守れ」の「3000万署名」をおこなっています。
 平和で安心して暮らしたいとの願いを、この3000万署名にご協力下さい。
 いま、韓国と北朝鮮の南北首脳会談が実現し、朝鮮半島の非核化と平和体制への一歩が踏み出だされました。米朝会談も準備が進んでいます。
 
安倍政権を退陣に世界に誇れる憲法を
 日本共産党は、市民と野党の協力で安倍政権を退陣に追い込み、憲法改悪の企てを打ち破り、世界に誇れる日本国憲法の進歩的な条項を、国民の暮らしに生かす新しい日本をつくることに全力で頑張っています。
 
街頭から「憲法を守ろう」と訴える党議員団。行き交う車から「頑張れ!」の激励の声も寄せられました。
左から、福島なおみ市議、井上ゆうすけ県議、浦田関夫市議(3日、町田)