唐津民報297号
2017/12/17
玄海原発反対集会に1700人
福島の実相が玄海周辺地域に及ぶ
住民避難は後まわしに批判
 来年3月にも再稼働が狙われている玄海原子力3・4号機に隣接する唐津市で2日、「さよなら原発!12・2玄海原発再稼働を許さない九州総決起集会」が松浦河畔公園で開かれ、約1700人が参加しました。集会後は、デモ行進しました。さよなら原発1000万人アクション佐賀県実行委員会の主催。
 佐賀県平和運動センターの原口郁哉議長があいさつし、九電の利益優先の姿勢を告発。「核と人類が共存できないことは福島の事故で明らかになった」と述べ、原発推進の政府も批判しました。
 福島県いわき市議で市民団体代表も務める佐藤和良さん(63)が、東京電力福島第1原発事故から6年8カ月が過ぎても故郷に戻れず、大勢の人が避難を強いられている現状を報告。「被災した人は住まいを奪われ、路頭に迷っている。福島で起きていることが、みなさんの身に降りかかる可能性がある」と訴えました。
 
党派を超えて反対を
 地元の成冨忠良さんは「避難計画すら実現不可能なものになっている。再稼働反対の声は党派に関係なく上げていこう」と訴えました。
 ジャーナリストの鎌田慧氏、福島原発刑事訴訟支援団の佐藤和良団長が連帯あいさつし、佐賀県の現状を社民党の徳光清孝県議が報告。「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の石丸初美代表、「原発なくそう九州玄海訴訟原告団」の長谷川照団長が報告しました。
 
みんなが声をあげれば原発はなくせる
 福岡市の女性(51)は「放射能は人類がコントロールできないものです。原発が動いていないときでも電気は足りていました。みんなが原発を『いらない』と声を上げればなくせます」と話しました。
 参加者はその後、プラカードや旗を掲げて約2キロのデモ行進をしました。
 
九電、神鋼データー調査前に再稼働時期を明示
 九州電力は玄海原発3号機の再稼働をこれまでの1月から3月へ、4号機の再稼働を3月から5月に延期することを発表しています。遅れる理由は、神戸製鋼所のデータ改ざん問題に関連する自社調査のための時間としています。調査結果が出る前に、再稼働時期を示すのは結果ありきの調査時間設定ではないでしょうか。
 
玄海原発再稼働
避難計画はこれから
避難マップは再来年の2月
11日、唐津市玄海原発対策特別委員会で、原発事故時に避難先や避難ルートを示すマップを2019年2月ぐらいに作成し、全市民に配布する考えを桜庭佳輝総務部長が明らかにしました。浦田関夫議員の質問に答えたものです。
 
再稼働後では遅い
 傍聴席からは「遅い。完成するまでは再稼働すべきでない」などの発言が飛び交いました。 浦田関夫議員は、12日の一般質問で「避難計画が不十分なままの再稼働はすべきではない」と市長に求めたのに対して、峰市長は、「玄海原発3・4号機は、新規制基準に合格したもので、避難計画も一定の水準にある」と再稼働容認する姿勢を示しました。
 
高浜町・舞鶴市ではレベルの高い避難計画
 浦田関夫議員は、福井県高浜町や高浜原発に隣接する京都府舞鶴市への防災計画を示し「立地町の高浜町や隣接市である舞鶴市並みの防災計画を策定すべき」と求めました。
 高浜町では、全世帯の健康状態などを記入する「アンケート」や「学校での子どもの引き渡しマニュアル」、万一の事故の場合の「職員の配置表」「避難所までのルート表」「モータプール場所」をつくって日常的に訓練するなど市民の安全・安心対策の準備をされていました。
 
水道料金、来年4月から22%の大幅値上げ
15d(月)で533円の値上げ
下水道の値上げも19・24年度に予定
 唐津市は来年4月から水道料金を22%値上げする計画で、12月議会に議案として提案されています。
 市民からは「22%値上はひどすぎる」と批判の声があがっています。 値上げ案は、市内の一般家庭の平均使用量である月15立方メートル(メーター口径13ミリ)で計算すると、1カ月料金は2944円で、改正前に比べて533円上がります。県内17の水道企業体で、低い方から2番目でしたが、値上げされると県平均の料金になります。
 値上げの理由として、給水人口の減少や節水器具の普及に伴う収益減と、老朽化した水道管や浄水場施設の更新にかかる支出が増えのが原因です。旧市の地域は水道料金そのものの値上げは1993年(平成5年)以来となります。
 
上場地域への給水工事が借金を膨らます
 唐津市は2005年の合併後、上場地域の簡易水道を上水道と接続する事業を進めてきました。来年度からは15〜20年間の計画で約88億円をかけて40年以上経過した老朽管の約1割強を対象とする更新に着手することにしています。
 現状のままでは、来年度末に水道事業が資金不足に陥る見通しから、新たな借金(企業債)を増やさない方針によるものです。
 M田康裕水道局長の議会答弁では5年後の値上げも示唆しています。
 
市民の負担感は増す
 福島なおみ議員は議案質疑で、「22%の値上げは、市民生活を圧迫する。経費節減などはできなかったのか」
と質疑しました。
 M田水道局長は「負担感はあると思うが、安定して供給するための必要経費として理解してほしい」と答弁しました。
 今年3月に策定した「下水道事業経営戦略」によると下水道使用料の値上げについて、これまで5年毎に実施してきており、平成31年と平成36年に値上げを計画しています。
 議案質疑で、値上げによる市民負担を憂いての質問は福島議員だけでした。
 
唐津駅北口にてイルミネーション点灯式が1日、行われました。以前から、駅前を明るくする工夫が欲しいと近隣事業者や住民の声があって、昭和30・31年生まれの市民有志でつくる「羊申(ようしん)会」の取り組みで、2021年まで、1年ごとに点灯エリアを広げる予定です。
 点灯式では、峰達郎市長と唐津駅長が挨拶し、唐ワンくんも参加しました。集まった市民のカウントダウンで、LED1万7000個が駅前を彩っています。期間は1月15日まで、夕方5時から午前1時の間ライトアップします。
 
共産党市議団に、北波多の住民の方から「北波多小学校が地盤沈下しているのでは」との情報が寄せられました。
 浦田、福島議員は4日、北波多市民センター担当職員の方と校長先生の案内で学校を視察しました。地盤と建物に隙間が発生していましたが、専門家に診断してもらったところ、今すぐ建物に被害が及ぼすことはなく、北波多特有の地盤が弱く経年の結果ではといわれています。
 運動場の下にも建物の基礎があり、降雨の時などにむき出しになるとのことで、その対策も予定されています。