唐津民報283号
2017/4/30
知事の同意に市民の怒り
玄海原発再稼働許すな
市民団体、抗議行動相次ぐ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「山口知事は、佐賀県民を犠牲にするな」など抗議のマイクを握る浦田関夫市議(24日・佐賀玉屋前)
 
 
 
 山口義知事は24日、玄海原発の危険性に不安を抱く県民の声を無視し、玄海原発3・4号機の再稼働に同意することを表明しました。 県庁には、「再稼働容認は許せない」などと市民ら50人が詰めかけ、佐賀市内の中心街では
再稼働反対!」と怒りの声を上げました。
 山口知事は、同日の記者会見で、玄海原発の安全対策について「求められるレベルの安全性は確保されているなどと述べ、再稼働は「現状においてはやむを得ない」と容認する考えを示しましました。
 
具体的理由示さず
 山口知事の「市民の理解についての認識」を記者から問われ、具体的な根拠を示さず「総合的に考え、理解は得られた」と主張しました。
 
直前の申し入れに知事現れず
 知事の容認表明に先立ち、市民らは知事宛に、再稼働を容認しないよう求める要求書を提出。山口知事が「容認表明」をすると抗議行動をしました。
 抗議行動に参加した上峰(かみみね)町の女性(70)は、「要求書を提出した際にも、知事は私たちの前に姿を現しませんでした。原発の危険性は十分に示されています。再稼働で県民を危険にさらすことは許されない」と語りました。
 
言い訳の記者会見
 日本共産党の武藤明美県議は「知事は記者会見で『国や九電に注文をつけて、将来的には原発はなくしていく』と言ったが、それならばなぜ再稼働なのか、こんな矛盾ばかり、いいわけばかりの記者会見はありえない」と訴えました。
 
知事は責任を持てるか
 井上祐輔県議は「事故がおこれば、知事はどういった責任をもつのか、国が責任をもつというが知事が同意をしなければ再稼働はありえない。知事が同意をした責任は重い」と訴えました。
 
福島の教訓は 生かされていない
 浦田関夫市議は、「重大事故が起きた場合の施設は5年後に先送り。唐津市からの避難場所は300カ所にものぼり、その調査も済まないうちに再稼働するというのは、原発は事故は起きないという安全神話に基づくもので、福島原発事故の教訓は生かされていない」と訴えました。
 訴えを聞いていた坂井すよさん=佐賀市=は「山口知事がなぜ再稼働同意したのか、原発の危険性はもう十分分かっているはず、福島原発の炉の中にはロボットすら故障するんです」と話しました。
 
  党市議団は22日、神集島と加唐島にある原子力災害時に一時避難施設を視察しました。
 離島は、天候などで避難が困難な場合が予想され、そのために放射性物質からの島民を守る避難所を設置しています。
 防護施設は、放射性物質を99・9%防護できるとしていますが、果たして大丈夫でしょうか。
 九電の放射性物質を防ぐ施設は鉄筋コンクリート幅は30a以上もあり、機密性もあります。
 体育館にある施設はビニールで覆われ、公民館や学校の避難施設はいずれも室内の圧力を上げて外気が入らないようにするとしていますがビニールの覆いや2重サッシのみで大丈夫でしょうか。
(写真は、避難防護施設=神集島)
 
 
 
 
 
 
 
 
13項目の不安材料を掲げ同意
 
自民・公明両党が「玄海原発3,4号機の再稼働に関する決議」を4月13日に強行可決したことで山口知事の再稼働容認表明の理由の一つとなりました。
 その決議の内容は、政府、規制委員会、九電、知事に対して13項目の原発が抱える課題を指摘しています。
 例えば、県、市町の避難インフラ整備や避難行動支援に関するものから玄海原発更なる安全対策の充実を求めるものです。
 こんな内容で原発が安全ではなく不安を抱えていることを自ら認めたものです。
 
 
 
党議員団市民センター訪問
深刻になる課題
市民が創る希望
 
 日本共産党唐津市議団は4月14日(金)と18日(火)の二日間で8つの市民センターを訪れ、センター長や総務教育課長、産業課長と市民センターが抱えている実情や課題について率直な意見交換を行いました。
 
 吹き出す課題
 平成29年3月時点の唐津市全体の高齢化率29・3%に対して、浜玉市民センターを除く全ての市民センター管内で高齢化率が40%前後となり、買い物・移動手段・農林漁業の後継者不足などの課題がいよいよ深刻になっていると訴えがありました。市民が中心となって行えるはずの地域行事にも市民センター職員の配置が不可欠になっている地域もあります。
 高齢化率20%前後の浜玉市民センターでも、児童が増えているのは横田地区など一部に集中しており、平原小学校と玉島小学校を統合する話があります。平成26年度末に鳥巣分校を閉鎖して平原小学校に統合したばかりです。現在、鳥巣地区の子供たちはスクールタクシーを利用できますが、家が遠くても平原小学校の子供たちは利用できません。学校を統合するならば、子供たちの安全確保や保護者の送迎負担には予め対応していく必要があるのではないでしょうか。
 
廃校舎を活用 繋がり作り
厳木市民センターでは、平之分校の廃校舎を農家レストランとして活用。地元の人による地元食材での廃校活用が新聞に取り上げられ、2016年1月17日から月に一度の営業が継続されています。地域おこし協力隊の力も活きています。
 
県外からの利用多数
 七山市民センターでは、中山間地域交付金がなければ農林業の維持ができないとしつつも、若い農家さんが会 を作りイノシシの捕獲に取り組み、畑を守っています。農産物・加工品の直売所「鳴神庄」や温泉「ななの湯」の経営は安定しており、ななの湯に隣接するグラウンドは福岡県の野球チームの利用も多いそうです。菜園やトレッキングマップ、村あそびなど案内リーフレットの種類が豊富です。
 
住めば都、北波多
 北波多市民センターは、地域がコンパクトに整備され生活しやすい住環境と、唐津焼発祥の地を強みにした発信に取り組んでいます。
 
教養溢れる相知町
 相知市民センターでは、2月2日から3月31日の期間、唐津市指定文化財の『峯家文書』の展示を行いました。江戸から明治時代に唐津に暮らした庄屋さんの教養の深さを知る事が出来ます。
 唐津が栄えた時代背景を感じることができる貴重な資料です。
 6月11日(日)には「松浦党が愛した仏巡りコース創り実行委員会」のマップ完成プレイベントが行われます。
 
どうなる峰新市政
 6月議会では、補正予算案が出され、峰市政のありかたが明らかになるのではないでしょうか。浦田関夫市議、福島なおみ市議はおの峰市長に是々非々で対応する事にしています。
 
 
 
 
 
 
 
 
地域を紹介するリーフレット(各市民センター提供)