唐津民報282号
2017/4/2
当初予算に対する共産党の主張
暮らし応援の予算を求めて
浦田関夫議員が討論
 平成29年度唐津市予算議案について日本共産党唐津市議団を代表して浦田関夫が討論しましたので、その概要を掲載します。
 本議会に提出されました54議案の中から4議案について反対の立場から討論を行います。
 まず、今回の一般会計予算は、市長選挙後の「骨格予算」でありますが、子どもの「医療費助成制度」が「現物支給」に改善されたことは評価すべき点であります。
一方で、骨格予算としながらも坂井市長が再選された4年前の骨格予算と比較すると80億円も膨らんでいます。
今後「合併特例債101億円」を活用が予定されており、唐津市が将来負担比率は県内で最も悪い数値を示していることを指摘しておかなければなりません。
 
 一般会計予算の中から、議員による「姉妹都市訪問費」であります。友好姉妹都市の友好を深めることを否定するものではありませんが、市民の暮らしが厳しい時に、税金を使っての海外の「姉妹都市訪問」は自粛すべであると考えます。
 
 次に、「原子力発電広報・調査等交付金事業費」であります。
 この事業目的は「原子力の正しい知識の啓発及び普及のため」とされています。しかし、予算の内容は原子力施設の視察が主であります。原子力施設を見ることも原発の知識の普及にはなるでしょう。しかし、福島第一原発事故から6年が経過してもなお8万人の方が故郷へ帰れない状況にあります。
 原発は、ひとたび重大事故を起こし、放射能が外部に放出する事態になると、人類にはそれを制御する手段はありません。空間的にも、時間的にも、社会的にも、被害が広がり続けるという、石油コンビナートなどの重大事故とは違う「異質の危険」があります。福島第一原発の事故は原発の危険性をまざまざと示しています。
 私は、福島原発事故からの避難者生活の実相を知ることも「原子力の正しい知識の啓発及び普及」になるとして繰り返し提案してきました。しかし、「そのようなものには使えない」とのことでした。それでは、「新たな原発の安全神話の普及」でしかなく、この事業目的に反するものであります。
 
 次に、「個人番号カード交付事業費」であります。いわゆるマイナンバー制度ですが、一言で言えば「国民一人ひとりに番号をつけ国が国民を監視する制度」であります。
政府は、「国民の利便性の向上及び行政の効率化に資する」と宣伝していますが、既に実施しているアメリカや韓国では、プライバシーの侵害や個人情報漏えいが社会問題となり、見直しが迫られている制度であります。国民のプライバシー保護の観点から中止を求めるものです。
 
 次に、「同和関連予算」であります。「人権」は、憲法のが定める基本的人権であります。その教育や啓発は行政の必要な施策だと考えます。執行部は、「インターネット上での差別事象や人権侵害なども発生している」としていますが、唐津市がおこなっている同和予算は、同和事業偏重そのものであります。二つの同和運動団体への補助金や事業を、十分な事業評価と展望がないまま長期間続けられており、「真の人権教育・啓発を」中心に据えた事業への転換を求めます。
 
 次に、「医療及び介護関連」であります。憲法25条では「国民は健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する」と定め、全ての生活面において、社会保障、社会福祉及び公衆衛生の向上及び増進に努めなけることを国に求めています。唐津市の国保税は佐賀県一高く、「払いたくても払えない」という悲痛な声を聞きます。社会保障の負担が市民に重くのしかかり、保険税が払えず、医療にかかれない方もかたもおられます。
 国保は、来年度から「県内統一の国保」へ移行することが決まっており、どのように変わるのか、負担は上がるのか下がるのかの十分な説明がなされていません。
 後期高齢者医療は、年齢によって「別保険制度」となっています。
介護保険は、この4月から要支援者を介護保険から外し、「新しい介護予防・日常生活支援総合事業」という名称で、「要支援者」をNPOや自治会、ボランティア団体などが行うことになります。これまでの介護を専門職が担っていたものを「NPOやボランティアなどに介護支援を任せていいのか」との心配があります。
 国は、安心して医療や介護が受けられるよう責任を果たすべきであり、唐津市もその下支えを強く求めるものであります。
 以上の理由から、反対討論とします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
旧大島邸が4月23日オーップンを前に準備が急ピッチで進んでいます。移築前の雰囲気をそのままに復元されています。
庭も当時のままの復元がなされていました。