唐津民報第274号
2016/9/25
 
社民党と共産党とで修正案提出
坂井市長に任期期間中の「無給」
26日に上程・討論採決へ
 
 日本共産党唐津市議団と社民党は、坂井俊之市長が提出している「減給案」に修正案を提出することで合意しました。
 議長に提出し、26日の本会議で提案理由の説明と議案審議のあと討論採決の運びとなります。
 当初予定していた「坂井市長の不信任案」は合意に至りませんでした。
 修正案の趣旨は、政治倫理の報告書を受け、道義的責任から市長の給与の減額するために提案されたものに対して修正し提案するものです。
 市長の提案は、平成28年10月分と11月分の市長の給与を半額にするものです。
 修正案では、市長の給与の支給額を「任期期間中無給」に厳しく修正し提案するするものです。
 
政治家として倫理観と謙虚さを形に
修正案の提案理由は、坂井市長の支給額の減額理由は、政治倫理審査会の報告を受けて「道義的責任」によるものです。
 それならば、それにふさわし内容に改めるべきだと提案するものです。
 政治倫理審査会の報告書の付帯意見によれば、「そもそも政治倫理とは、市民から市政を付託された市民の代表として、市民に信頼され、公平・公正に行動するために政治家として守るべき行動規範である。したがって、政治倫理は、法に抵触するか否か以前の問題である」と述べているように、坂井市長には政治家として、高い倫理観と謙虚さが求められると考えられるからであります。
 
市長提案より厳しい事例、他にも
 坂井市長は提案理由で、「他の事例よりも厳しい内容にした」と提案理由を述べながら、党議員団の調査で、提案処分より厳しいものが多数あることが判明しました。
 小樽市の事例では、「小樽市長の10%6ヶ月減給処分にくわえ、12月ボーナス50%削減」がされています。
さらに、「財政健全化のため小樽市長は30%減給しており、10%加えれば40%減給」となり、坂井市長が紹介した事例から判断しても、本案の給与減額条例は劣っているものであります。
 2011年の「やらせメール事件」で「無給4ヶ月」をおこなった佐賀県前知事の事例もあり、修正案である「任期期間中の100分の100」の提案は妥当としています。
 修正案は、26日(月)の9月市議会最終日に提案理由の説明、審議、討論、採決される予定です。
 
坂井市長を書類送検
政治資金規正法違反の疑い
 坂井市長が12日、政治資金規正法違反の疑いで書類送検されました。昨年12月の住民団体による告発受理から9ヶ月、新たな展開へと進むことになります。
 坂井市長が代表を務める「自民党101支部」が2013、14年に企業や団体から受けていた寄付484万円全額を坂井市長の後援会に12月に移していたことが、「迂回献金」との疑いで市民団体が告発していたものです。
 党議員にも「好きで後援会役員を引き受けたのではないのに、警察が犯人みたいに聞かれた。市長には早く止めてもらいたい」と打ち明ける後援会役員も現れるほど、徹底した捜査の様子が覗えます。
 市民団体は、自民党支部101が2014年に協同組合から10万円の寄付について、「市から補助金交付団体が交付決定通知の1年以内のに寄付の禁止」についても同法違反の疑いがあるとも告発しています。
 佐賀検察庁は、早ければ年内にも結論を出すことが予想され、もし「起訴」になれば、市長職にとどまることは困難と思われます。
 市長が辞職した場合は、50日以内に選挙が行われることになります。
 唐津市選挙管理委員会は、市長・市議選を22日告示・29日投票を予定していますが、余談を許さない情勢が予想され、「市政に混乱がないように」との判断が、かえって「混乱を招く」とにもなりかねません。
 
行政のチェック機関が議会の役割
本会議では語らなかった事実が判明
総務教育委員会、市長出席要請を拒否
 
 16日、総務教育委員会が開かれ、坂井市長提案した市長自身の「減給50%2ヶ月」 にいて審議しました。
 委員会には通常、特別職(市長・副市長・教育長)は出席しません。
 浦田関夫議員は、本会議での審議で坂井俊之市長が説明した北海道小樽市で説明不足があったと指摘しました。
 坂井市長が示した小樽市の事例は、「減給処分10%6ヶ月」のみでありました。
 
坂井市長の説明に新たな事実が判明
 浦田議員の調査によると「12月のボーナス50%削減」が欠落していました。
 加えて、小樽市は財政健全化のため市長は30%減給しており、10%加えれば「40%減給」となることから、坂井市長が説明する「他市の事例より厳しい内容」でないことが明らかになりました。
 担当者は、浦田議員の指摘を認め「本会議でボーナスの説明はしていない」と釈明しました。
 
市長には説明責任が
 浦田議員は、「本会議場での説明が不十分で、新たな事実が出てきた以上、市長を委員会に出席を求め審議すべき」と青木茂委員長に要請しました。
 青木委員長は、5人の議員に態度を求めましたが、5人の議員すべてが「本会議で議案質疑や一般質問で十分なされた」と、出席要請に反対し、市長の委員会出席は実現しませんでした。
 
行政のチェック機関の役割を放棄するもの
 議会では、市長が提案した議案を市民目線でチェックする役割がありながら、市長の委員会出席が実現しなかったことは、その任務を放棄したことになります。 
 しかも、本会議場で市長が説明した以外に「新たな事実」が明らかになったからには「市長の真意を確かめる」必要があります。
 
坂井市長の説明崩れる古川知事は無給4ヶ月
 浦田議員は、小樽市だけでなく、町田市長がパーティー券販売問題で「30%6ヶ月」、横浜市長がパティー券販売に絡んで「50%減給3ヶ月」と坂井市長よりも重い減額処分の事例を示しました。
 そのほかにも、2011年9月に発覚した、古川康知事(当時)の「やらせメール事件で、自ら責任をとって「無給4ヶ月」の処分をしています。
 これらの事実からも「本会議での説明は不十分」であることは明白であります。
 
市長は自らすすんで説明責任を果たすべき
 議会は、市政の疑念を明らかにして徹底して糾明するのが役割のはずですが、とても残念な結果となりました。 本来なら、市長が自らすすんで出席して、質疑に応えるのが「政倫審の結果を重く受け止める」という政治家の美学、政治家のプライドです。
 
市政はじまって以来の不祥事で最大の汚点
 唐津市は、昭和7年に市政施行し、合併を繰り返し84年の歴史を有する市であります。
この間、幾多の市長が誕生しました。
 そのなかで、坂井市長が任期中に部長2人も逮捕され、自らも「政治とカネ」にまみれ、政治倫理審査会の審査対象となり、審査会の結論は「条例が定める規準違反」と明確に断罪された市長は、市政はじまって以来の不祥事で「最大の汚点」です。
 特に、政倫審が指摘している「政治資金規正法が禁止している迂回献金」問題と「特別公務員である駐在員が坂井市長の後援会役員に就任していた」という事については、市長就任から長期わたる行為であり、確信犯として続けられてきたことを指摘しています。
 
被疑者として市政運営
 住民団体が昨年12月に告訴していたものが、9ヶ月の調査のすえ9月12日に佐賀県警から佐賀検察庁に書類送検されました。
 歴代の唐津市長が、「被疑者」となった事は過去にはありません。 「被疑者」とは、捜査機関によって、犯罪を犯したとの嫌疑の対象となっているが、まだ公訴を提起されていない者をさします。
 坂井市長は、この「被疑者」として唐津市政のトップを務めているのです。
 佐賀検察庁が「不起訴」になったとしても
政治倫理条例の規準違反という事実は消すことができません。
 
法律に抵触するかいなかの以前の問題
 報告書の付帯意見に「そもそも政治倫理とは、市民から市政を付託された市民の代表として、市民に信頼され、公平・公正に行動するために政治家として守るべき行動規範である。 したがって、政治倫理は、法に抵触するか否か以前の問題である」と述べているように、坂井市長には、高い倫理観と謙虚さが求められることから政治家としての「矜持」(プライド)を持ってもらいたいものです。
 
いったん取り下げ厳しい内容の提案を
 市長は、このような状況からいったん減額条例案を取り下げ、新たに厳しい内容の条例案を提案するのがスジだと思われます。
 
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