唐津民報第273号
2016/9/11
 
9月議会はじまる、決算も審議
坂井市長、政倫審結論に発言せず
市民団体、徹底審議を議会に要請
 
 唐津市議会9月定例議会が1日から10月13日までの43日間の日程ではじまりました。
 昨年から、9月議会に決算特別委員会も併せて審議されます。
 今議会の注目は、坂井俊之市長の「政治とカネ」をめぐる問題で、唐津市政治倫理審査会(村上英煢長、9人)が7回の審議の結果「四つの論点すべてを条例違反」と認定した報告書をまとめ、坂井市長に手渡しました。 坂井市長が、9月議会でどんな発言をするのか注目されました。しかし、坂井市長は9月議会の提案理由を述べたものの、政倫審の報告書について一言の説明も謝罪もしませんでした。
 
「重く受け止める」なら 辞職がスジ
 8月25日に、村上会長から政倫審の報告書を受け取った坂井市長は「報告書の内容は大変重く受け止めている」としながら、「再びこのようなことがないよう厳しい倫理観をもって市政運営に全力で取り組みたい」と辞任せず続投の意思を表明しました。
 市民団体が示した政治倫理審査項目の全てで「条例違反」と断罪されたのであれば、即刻辞任するのが報告書に沿う身の処置のはずです。
 
政倫審や司法の結論が出ても任期いっぱい
 坂井市長は、報告書を受け取った後の会見で、自らの処分について「司法の判断が出てから考える」と述べています。
 しかし、記者から引責辞任を問われると「任期を満了させて欲しい前から言っている」と開き直りました。 この態度は、倫理違反が指摘されても、検察庁が起訴しても居座ることを決めているように見えます。
 
市民団体が徹底究明を求めて議会に要請
 市民団体「唐津をよくする会」のメンバーは30日、坂井市長の政治献金問題で政倫審が「条例違反」としたことで、市政をチェックする議会として「市長の政治姿勢をただす」ことを求めた要請書を提出しました。
 提出した「唐津をよくする会」の代表である木村眞一郎共同代表は「ここまできてなにもしない市議会は明らかにおかしい」と苦言を呈しました。
 
市長は不在で手渡せず
 よくする会はこの日、坂井市長本人に辞職を求める文章を手渡す予定だっただ「不在」で、西山将夫秘書課長が受け取ろうとしましたが、会側が「事前に通知しているのに、このような重要な文書を課長が受け取らせるとは市民を愚弄している」と押し問答の末、提出は後日に見送りとなりました。
 
不信任案の提出も
 日本共産党唐津市議団と社民党は、このような坂井市長の「居直り続投」の姿勢こそ、政治家としての資質と良識が問われているものとして、他会派にも呼びかけ、坂井市長の「不信任案」提出を準備しています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
坂井市長の政治姿勢をただすよう求める市民団体(中央)と要請文を受け取る議会事務局長(30日)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
県が原子力の第三者委員会設置へ
県民の立場での議論を望む
 
 玄海原発の再稼働に関連し、山口祥義知事は2日の定例記者会見で専門家らでつくる第三者委員会の設置を検討する意向を示しました。
 国から再稼働の申し入れがあるまでには一定の方向性を出すことにしています。
主に、避難計画や基準地震動などを第三者委員会で議論することにしています。
 山口知事はこれまで、再稼働の判断は県内の市町の首長や県民の幅広い意見を聞く考えを示していましたが、第三者委員会の設置に言及したのは初めてです。
 
未設置の、佐賀と鹿児島も第三者委員会
 全国の原発立地県では、委員会やアドバイザーなど何らかの外部の意見を聞く組織を持っていますが、佐賀県と鹿児島県にはありませんでした。
 未設置の鹿児島県も、7月に就任した三反園訓知事が同様の第三者委員会を新設する意向を示しています。
 再稼働の判断では、避難訓練の事例や基準地震動の設定、緊急時対策所の在り方、大規模地震が連続した熊本地震の教訓などを論点として挙げ、「佐賀県に置き換えて問題がないのか。一つ一つ整理して来るべき時期に考えを示す」としています。
 
住民説明会も計画
 山口知事は、国から再稼働の申し入れがあった後の住民説明会についても「やれることは何でもやっていきたい」として、市町の状況に応じて、九電や国と協議しながら開催していく意向を示しました。
規制委員会が現地調査
 原子力規制委員会は2日、玄海原発の再稼働に向けた3回目の現地調査をおこないました。小雨の降るなか、玄海原発のゲート付近で住民団体が「再稼働反対」「福島原発の事故原因が解明されないままの再稼働は許せない」など抗議行動をしました。
 
福島では避難解除でも帰還者は1割
 福島事故が起きて5年以上が経過しても帰還できない状況が続いています。
 楢葉町(約7300人)では、避難指示が解除されて1年が経過しても町に戻った住民は1割にもなっていません。戻った住民のうち65歳以上が5割を超えています。
 放射への不安から、若い人や子どもを中心に帰郷をためらうのは当然です。
 
帰還しないのは自己判断と補償金打ち切り
 しかし国と東電は、帰郷しないのは「自己判断」としてこれまで支払っていた賠償金、住宅借り上げ料などを打ち切って無理やり帰郷させようとしています。
福島事故は終わったかのように再稼働へ向けた動きに納得できません。
フランスでは新たな強度に疑問調査
 フランスでは、玄海原発2〜4号機が使っている部品と同じ製品が「強度に疑問」として調査が始まりました。 同じ製品を使っている川内原発は「動かしながら調査」としています。
 これでは、九電の利益のためには、住民の不安や安心を顧みないやり方です
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
原子力規制委員会の現地調査に反対を続ける住民団体の皆さん。(玄海原発正面玄関前付近・2日)
 
 
 
庁舎設計を19万円で落札
 
 6月10日に行われた新庁舎の基本計画策定業務の入札結果は、予定価格1,867万円に対し19万円で落札されていました。
予定価格の約1%です。最も高かったのは2900万円で、約1.5倍です。なぜこんなに開きが出来たのでしょうか。
 以前、「1円入札」というのを思い出されます。
市役所のパソコンネットワークに何億円もする事業を「1円で落札」し長期にわたって安定的にその市役所の業務を独占できるというメリットを考えての入札と報道されたことがあります。
 確かに、メンテナンスや業務の変更などで「損して儲ける」という商法なのかもしれません。
 もし、そんな考えのもとに落札業者を決めたのでは、先が思いやられます。
9社の指名競争入札で、指名されたのは他市の大手設計事務所ばかりです。地元の設計事務所が指名されていないのも疑問が残ります。
 6月21日に開催された議会の庁舎建設の特別委員会では、その報告はありませんでした。
 市庁舎建設計画は、市民への説明会は開かない、入札の結果を特別委員会にも知らせないという不透明感をはらみながら動き出した感があります。