唐津民報262号
2016/3/6
 
3月定例市議会25日まで
箱もの建設で過去最大の予算
市庁舎や唐津焼会館の予定も
 坂井俊之市長が手がける今期最後の当初予算が1日に唐津市議会に上程されました。
692億206万円と昨年より25億円増え唐津市政はじまって以来の予算規模となりました。
 主な原因は、投資的経費(学校と屋内運動場、給食センター、唐津城石垣再築整備事業など)「箱もの」といわれる建築事業費が16億円増えて126億円となっています。
 公債費(借金返済)は低金利の影響で1億5669円減ったとはいえ85億円となっています。
 財政規模が過去最大になった原因とそのことによって、将来負担の懸念が増えやしないか。特に財政調整基金40億円の約半分19億円と5億円の退職債の借り入れが続いていることです。
 市庁舎の改築について、ただ古くなったから、合併特例債があるからでは説明にならない。本庁舎の3階は空き部屋が目立っています。それでもたてる理由はなにか、を市民と議会に説明する責任が市長にあります。
 唐津焼美術館推進事業費(82万円)は、古唐津の保存と陶芸文化の発展を目的に資料の収集、調査研究、展示をおこなう専門の美術館建設をおこなうものとなっています。資料の収集、調査研究、展示となれば相当の面積と人材が必要です。
「美術館」は建物の構造や温度湿度管理が厳しく定められています。
それを2回の検討委員会で決めることができるのでしょうか。そのうち1回は先進地視察となっています。「美術館建設ありき」ではないでしょうか。
 財政規律の観点から予算編成の視点が問われることになります。
 市民への丁寧な説明をどうするのかが問われることになります。
 
【主な事業】
★子育て支援拠点施設整備事業=3億5260万円=旧城内閣跡地にある障がい者支援センター(りんく)の3〜4階を「子育て支援拠点施設」として整備するものです。
★唐津赤十字病院移転事業費補助金=2億627万円=8月診療開始する唐津赤十字病院の移転新築に伴う補助金です。
★呼子地区住宅整備費=4億2598万円=老朽化した呼子地区の住宅を集約し移転新築するもので、平成30年完成予定です。
★鬼塚小学校屋内運動場大規模改造事業費=1億9542万円=老朽化が著しいために大規模改造工事をおこなうものです。
★鏡山小学校改築事業費=2664万円=児童数の増加に伴い、教室の不足が予想されるため改築の検討をおこなうものです。
★浜玉中学校改築事業費=10億3790億円=い校舎・屋内運動場を改築するものです。(総額28億5555万円)
★相知中学校校舎大規模改造事業費=11億3981万円=老朽化が著しい校舎を大規模改造するもの。(平成27年から28年まで14億3252万円。
★湊中学校屋内運動場改築事業費=2億9953万円=屋内運動場の改築工事をおこなうものです。総額5億1221万円。
★鬼塚中学校校舎大規模改造事業費=2億3664万円=総額14億2430万円を予定。
★厳木中学校校舎大規模改造事業費=3217万円=校舎大規模改造工事に向けて実施設計をおこなうものです。
★新給食センター整備事業費=17億4909万円=浜玉、厳木、相知、北波多の給食センターを廃止して、新たに相知に給食センターを建設するものです。総事業費24億4598万円。今年9月からの稼働予定。
 
【気になる事業】
★新庁舎建設基本計画策定費=2936万円=老朽化が著しい市庁舎を合併特例債が終了する平成33年までに建て替える基本計画を策定するものです。
★子ども医療費助成費=2億4877万円=子どもの医療費を中学3年生までに拡充するもの。自己負担1000円(入、通院とも上限)就学前まで現物支給、中学生まで償還払います。
★唐津焼美術館推進事業費=82万円=古唐津の保存と陶芸文化の発展を目的に資料の収集、調査研究、展示をおこなう専門の美術館建設をおこなうものです。
 
議案質疑は、10日(木)佐治徳議員がおこないます。
 
 
 
 
井上県議と志佐市議が現地調査
豪雪でビニール被害1億超
 1月下旬の大雪で佐賀県唐津市では、作物にも大きな打撃を与えたほか、農家のビニールハウスが積雪でつぶれる被害が多数報告されました。倒壊したビニールハウスは県内では15市町383棟、約6・6億f、被害総額1億3千万円にのぼることが県の集計で分かりました。
 日本共産党の井上祐輔県議と志佐治徳市議は2月18日、倒壊したビニールハウスの現場を訪れ、被害状況を調査しました。
 唐津市浜玉町鳥巣地区の園芸農家ではビニールハウス4棟のうち1棟が全壊しました。家族5人で花を育て出荷しており、年間約1千万の経費がかかります。ビニールハウスは4棟で約300万円。倒壊したハウスではデルフィニウムという花を育て切り花として出荷していました。
 この農家は豪雪が心配でビニールハウスの上に登り雪かきをしていましたが、追いつかず倒壊する時には約70pの雪が積もっていました。ビニールハウスへの農業共済などは入っていませんでした。掛け金が高く県内でも入っているところは少ないのが現状です。
 
ローンが残っている
 この農家の女性(42)は「まだ建てたときのローンが残っているのに…。倒壊した姿を見たときは『どうしよう』という思いでした。花は出荷した後だったからまだよかったが、今から先のことを考えると不安」と思いを話しました。
 井上県議は「被害にあわれた方への一刻も早い補償が必要」と話しました。
(写真=豪雪で倒壊したビニールハウス=浜玉町鳥巣地区)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
戦争廃止を向けて
「市民連合さが」が発足
 佐賀県の安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合さが(以下、市民連合さが)は2月28日、小城市内で結成総会を開き、約300人が参加しました。
 結成総会では戦争法廃止の2000万署名を共通の基礎とし、@安全保障関連法の廃止A集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を含む立憲主義の回復B個人の尊厳を擁護する政治の実現を方針として掲げ、参議院佐賀選挙区の1人区で野党に対して候補者1人に絞り込むことを要請することや支持政党の枠を超え、多数の市民が支持・支援できるように「無所属候補」を原則的に要請することを確認しました。
 
参院選挙で安倍自公政権を少数に
 結成総会では立憲デモクラシーの会の山口二郎氏が特別講演に立ち、「安倍首相の国会答弁などを聞いていても論理や理性が感じられない。自分が選挙で国民から選ばれたのだから俺が何をやってもいいというのは専制であり独裁だ」と安倍政権に対して批判を述べました。また、市民連合について「安保法制は数の力で決められてしまったが、昨年の安保法制廃止の動きは決して無駄ではなかった。運動が全国的に広がり、次の参議院選挙で安保法制廃止を掲げる候補で勝ちに行くという動きに繋がり、それが全国各地どこでも起きている」と述べました。
 あいさつで佐賀大学の畑山敏夫教授は「日本のデモクラシーを邪魔してきた政治を変えるチャンスです。佐賀からも統一候補を出していこう」と訴えました。
 安保関連法に反対するママの会@佐賀の福田重満子(えみこ)さんは「『誰の子どももころさせない』の一致点で行動しています。必死に生きているこの子たちが日々の日常を生きていくことが幸せです。幅広い方たちと手をつないで自民党の暴走を止めましょう」と涙ぐみながら訴えました。
 佐賀県の高校生の団体、YTYM(Young Think,Young Move@SAGA)の浅川きららさん(17)が「武力ではなく、平和の尊さを訴えていくことが未来を担う自分たちの役割だと思います。あきらめずに声をあげていきます」と話しました。
 結成総会に参加した民主党支持の男性は「力の出る結成総会になりましたね。頑張っていきましょう」と話しました。
 記者会見の中で共同代表の甲木美知子弁護士は「弁護士として今、動かなければいけないという思いです」と話しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
記者会見する呼びかけ人のみなさん。(2月28日・小城市)