2009/3/25

  市営住宅の入居管理に言及

 唐津市議会は、32日開会し、325日に閉会しました。

 325日に討論、採決がおこなわれ議案すべてが原案通り可決しました。意見書は「輸入食品の監視体制を強化し、食の安全確保を求める」など3つの意見書が全会一致で可決しました。また、公平委員会、監査委員、固定資産評価委員の人事案も同意されました。

 議案に対する討論は、反対討論は日本共産党の吉原まゆみ議員、賛成討論は市政会の井本敏男議員と公明党の中川幸次議員が行いました。

 特に、委員長報告では、(同和)市営住宅が空家にもかかわらず、同和団体の同意が必要ということで公募されないことが問題になり「市営住宅の入居管理は公正・適切な管理をお願いする」という特別意見で指摘されました。

 

意見書

@輸入食品の監視体制を強化し、食の安全確保を求める

A緑の社会への構造改革を求める

B障害者自立支援法の見直しを求める

 

<反対討論>

 吉原まゆみ(日本共産党)

76件のうち16件に反対

 今年の731日の佐賀新聞の記事に電気事業連合会が雑誌に掲載した「原子力発電は、クリーンな電気の作り方」という広告のコピーについて日本広告審査機構が安全性について十分な説明なしに発電時に二酸化炭素をださないことだととらえてクリーンと表現すべきではないと結論づけ電事連に通知したという記事があります。

 21年度一般会計予算における原子力発電広報安全対策費は、原発のことを理解するために必要といいますが、本当にその内容で予算が使われるかどうかです。たとえば、いま唐津市は玄海原発3号機のプルサーマル問題や玄海町長が言う中間貯蔵施設の建設問題や、市民と一緒に安全を確認することが必要ではないでしょうか。テレビやラジオ、新聞などで電力会社が宣伝している内容で「プルサーマルはリサイクル」といっていますが、ビンやペットボトルのようなリサイクルとは違います。原発から出される使用済み核燃料は、数万年にわたり放射能を出し続けます。青森県六ヶ所村に持ってくるまでの間、玄海町に中間的に、このゴミをためておくのは50年間といいますが六ヶ所村の向上もトラブルが続いていますから、永久に放射性廃棄物が唐津市の隣に眠ることになります。また、電力会社は「世界では」40年前からMOX燃料を使っていて安全」と言っていますが、玄海原発に装荷される・使われるMOX燃料の量が違います。「国が安全というから安全だ」では市民は納得できません。安全対策費という安全をPRするだけでなく、幅広く市民と一緒に疑問に答えるべき予算内容にすべきです。

 次に同和団体への補助金の問題です。国は、この事業を20023月に終結しています。全国的にも廃止、削減の方向の流れの中にあります。

 また、市全体の事業予算が削減や廃止されているなかで、依然として同じように部落解放同盟に市の補助金が2153万円、全日本同和会に988万円、合わせて3141万円は、他の団体補助金と比べても不公平です。昨年度まであった、子どもたちの情緒教育に役立つと評価されていた小中学校の芸術鑑賞は県がやめたから廃止します。国が事業を終わっていても県が廃止、削減しても唐津市は同和予算だけは独自につけています。この補助金が公正というなら事業も補助金も同じようにすべきではないでしょうか。

 国保特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計につて

 庶民大増税の連動によって国保や介護保険料は、ずっと値上がりしています。家族が多いと収入が少なくても国保税が増えて払いたくても払えない仕組みの国保税の決め方にも問題がありますが、唐津市では、国保や介護保険料が高すぎて払えなかった滞納世帯が平成18年度と比べると減っているとはいえ19年度は3147世帯です。

滞納すると保険証がもらえません。病院にいくと全額負担となるので、せめて子どもたちだけでも保険証を与えるべきだと浦田議員も議会でとりあげました。あれからすぐ市は、18歳までの子どもたちに短期保険証を出すことを決め、6ヵ月更新で続けることを約束しました。また、全額窓口負担となる資格証明書を減らし、短期証明書を発行している努力は認めるところです。しかし、佐賀県で保険証を取上げられた方は病気になっても保険証を持っている人の47分の1しか病院にかかっていないそうです。それを唐津市に当てはめると514世帯のうち11世帯しか病院にいっていないことになります。保険料も払えない、一番社会保障を必要としている人が社会保障から排除されています。減免制度があるといわれますが、いざというときに病院にかかれないのは、今の減免制度が不十分だからというしかありません。

 国庫負担率を元に戻すことや県から財政支援、唐津市として一般財源からの努力を求めます。誰もが安心して医療にかかれるようになっていないことを指摘します。

 後期高齢者医療の保険料は、「後期高齢者」の人口比率の上昇に伴って、2年ごとにあがっていく仕組みです。この制度が続く限り、際限のない負担増を高齢者におしつけ、検査・投薬・手術を制限したり、これから先、高齢者の複数の診療科を受診しにくくしてきます。保険証取上げも大問題です。国保と同じように保険料を一年以上滞納すると保険証を取上げ、「資格証明書」に切り替えます。以前の老人保健制度では、75歳以上の高齢者は、保険証取上げの対象外にしていました。老人保険制度はお年寄りを泣かせることはなかったのです。こんな制度はきっぱりやめるべきです。

 介護保険にしても、利用が増えたり、介護現場で働く労働条件を改善すれば、すぐ低所得者までふくめて保険料、利用料が連動して値上げされる矛盾がたくさんあります。唐津市の平成19年度保険料滞納者は817名です。2年以上滞納したら利用料が1割から3割になるということは、本当に介護か必要になったとき、保険料も払えない状態では、介護が受けられません。市民の方がおっしゃっています「お金がある人はいいけど」。市民負担が大きい原因は、国の社会保障の切り捨てです。国が負担していた介護費用の50%、三位一体の改革で22.8%まで引き下げられたからです。国が決めたことだから「やむをえない」ことばは使えないと思う。

 介護保険条例の一部を改正する条例は、この4月から実施の第4期介護保険料値上げにストップをかけるため、これまでの基金58千万円と国の介護従事者への3%上乗せの分で、わずかながら値上げにはなっていませんが、3年間の介護給付費準備基金の黒字は65歳以上の第一号被保険者が納めた保険料です。そのなかで、介護認定を受ける人は17%ほどです。83%のほとんどの方が保険料を掛け捨てにしているのです。また、施設整備費の抑制などサービス抑制のために介護保険財政は計画より給付・利用が落ち込む事態で、その結果多くの自治体が保険料のとりすぎになっています。見直しの今こそ、保険料を払った高齢者に最大限還元することは当然のことではないでしょうか。特養ホームなどの施設より小規模多機能型の施設に力を入れると説明がありましたが、実際に待機者が希望している施設は、最後まで介護してくれる場所だといわれます。佐賀新聞の記事では佐賀県内の待機者は1307人となっている。施設不足の窮状があり、十分な予算になつていません。

 下水道条例、農漁業集落排水処理施設条例、小規模集合排水処理施設条例、戸別浄化槽の整備に関する条例、水道事業給水条例、簡易水道事業等給水条例これらの水道関係条例は、合併に伴って料金を統一したいとするものです。唐津市だけでなく全国どこでも合併の地域説明会で住民サービス切捨てはしないと言ってきたわけです。今回、お年寄りや一人暮らしのために5トンの枠を作ったということはたいへん評価すべきです。しかし、物価高の折統一料金にするのなら高いほうにあわせるのではなく旧浜玉町にあわせるべきです。

  文化財保護条例はこれまでの罰則規定がかわる条例ですが、文化財を保護するために罰則を厳しくすれば守られるとする考えに疑問があります。罰則を厳しくするより時間をかけて、ゆっくりと物を大切にする教育こそ必要と考えます。

 財産の無償譲渡は、市の財産である外町保育園、高島保育園、長松保育園、佐志保育園、和多田保育園の建物と備品を。打上保育園、なごや保育園、七山保育園の建物をそれぞれ園を管理している社会福祉協議会や社会福祉法人に無償で譲るというものです。このなかにはすでに指定管理者が直接管理者の園もあります。今まで土地・建物は市のものだから、指定管理者に委託しても何の問題はないと説明していました。しかし、今回の無償譲渡で完全に民営化と同じです。

 現在、保護者の就労機会の増加により保育需要が増えています。延長保育、休日保育、一時保育など保育メニューも多くなっています。そういったことを理由に、市は「民間にできるものは民間へ」と将来の民営化を進めているわけで、保育園の運営経費が節減できることは間違いありません。しかし、子育ては社会的なものです。財政効率でははかれない直接子どもの発達に責任を持たなければならない保育士には、民営化によって、その業者の都合による不安定雇用の保育士になり、保育の安定的運営と質を確保するということでは、子どもにしわ寄せがいきます。

 この先、これがきっかけとなり、市が他の保育や福祉の自治体直営の分野を民営化にしていくことにつながるものです。

 

<賛成討論>

井本敏男(志政会)

  定額給付金は経済効果が期待される。

 21年度当初予算は、市民の安心安全にかかる事業に配慮されている。

 原子力発電広報安全等対策費は、原子力発電に関する知識の普及や安全確保に関する調査事業であり、原子力発電所周辺自治体として必要な事業である。

 同和関係補助金、同和対策事業費は、教育や就労面の格差や結婚問題を中心とした心理的差別が依然として存在するなか、差別解消に向けての啓発の推進に努めることが必要。

 国保特別会計予算、後期高齢者医療特別会計予算、介護保険特別会計については、いずれも安定的な市民の医療保険制度を持続させていくもの。市民の方の一部負担を伴うので、執行部は、そのことを常に念頭に置き、効率的運営にあたるよう願うものである。

 下水道をはじめとする条例改定に関しては、合併後5年後をめどとする合併調整方針にもとづき料金を統一されるもので、一部地域においては値上げとなる地域もありますが、新市の一体性をすすめていくためやむをえない調整ということです。

 文化財保護条例の改定は、市民の財産である指定文化財を守り、後世に伝えるために罰則を強化する改正を行うもので、今日の社会情勢を勘案すると適正な改正である。

 財産の無償譲渡は、現在無償貸与している保育園の財産を無償譲渡し、民間の活力を活かした保育環境の整備と保護者のニーズに即した保育事業の推進をはかるもので必要な政策と認識している。

 市営住宅入居管理について入居手続き等すべての管理につき公正かつ適切運営をのぞみます。

 

中川幸次(公明党)

 プレミアム商品券の発行については、唐津市で給付される2055996千円、子育て応援特別手当78444千円とともに地域経済の活性化に期待される。

 平成21年当初予算は、財源の確保に努められ福祉、教育、情報化基盤整備など継続的な事業については予算措置がされている。

 原子力発電広報対策費は、公明党の原子力発電に対する方針はあくまでも安全確保が大前提であり、そのためにも原子力や安全に対する正しい知識の普及、調査が大切。

 同和対策事業については、あらゆる差別をなくし人権擁護を啓発していくために必要。

 国民健康保険、介護保険条例については、いずれも市民の健康と生命を守るための持続可能な制度を確立するためのものである。

 下水道条例等の改正については、水道、下水道の使用料の改定統一については合併協議会調整方針で5年をめどに統一するとされていたもの。内容は妥当であり改定統一はやむをえないもの。

 文化財保護条例の改正は、目的は文化財の被害をなくすことであり、その抑止力のとしての罰則規定は妥当である。

 財産の無償譲渡は、市の財政の健全化をはかるために民間の力をいかすことは重要であり、今後も続けていただきたい。また、民間の立場で運営が行いやすいように行政が配慮していくことは大事である。

 唐津駅南土地区画整備事業は、早期の事業の完了をお願いしたい。