08年 3月議会 討論
今回の予算は、福祉タクシーのチケットの使用制限が撤廃され使い勝手がいいように改善されるなど福祉の面で一部改善の努力は見られますが、
以下について日本共産党・まつらを代表して本3月定例義会に提出された69議案の中から8議案について反対の立場から討論をおこないます。
 
 一般会計予算から財政問題
 本3月議会は、合併して4年目の節目予算であり615億円の予算規模は、佐賀市人口20万人の当初予算780億円と単純に比較はできませんが人口一人当たり約8万円も多くなります。これでは、合併後の「水ぶくれ予算」を軌道修正できずにいる感じであります。
 大型公共事業も、行政放送を市内全域に配信する「地域情報通信基盤整備」に総額約72億円のうちの27億円が計上されています。
 旧まいずる百貨店及びバスセンターの再開発事業に唐津市も設計補助をおこない、唐津市は2フロアーに入居の考えが示され、市庁舎建設の是非の検討も庁内でされているとの答弁もありました。
 もし庁舎建設となれば100億円を超す予算が必要となり、学校耐震工事も順次予定されています。
 このようなことから、財政運営が厳しくなり結果的に市民サービスの低下をきたすのではと心配されます。
 
収入の部から 経済振興財団清算金4300万円
 国民宿舎「虹の松原」と駅前の「アルピノ」を指定管理者に業務委託したことで「唐津市経済振興財団」を廃止するために清算の手続きをとっています。
 唐津市に財団から当然返還されるべき5000万円が700万円欠損で4300万円しか入金できないことについて、十分な説明がされてません。
 この財団を直接管理運営していた、市長をはじめ市職員の責任の所在が明確ではありません。何らかの処分が必要だと考えます。経営に当たっていた理事の責任をどうするのか。
 このことは、唐津市が出資している外郭団体にも影響する問題でです。
 
賦課徴収費の市税電算システム費
この事業は、固定資産を正確に評価し課税する仕組み作りをするもので唐津市にとっても市民にとって利害関係が及ぶ大事な事業であります。
 これらの事業に関連して、昨年12月28日に現職の総務部長が競売入札妨害罪で逮捕される事件が起きました。
 市民に驚きと「市役所は何をやっているのだ」というおしかりの声が私たち議員団にも多数寄せられました。
 元総務部長は、デジタル航空写真撮影を安価なフイルム撮影に業者に便宜を図り、さらに固定資産土地評価統一及び情報管理システム構築事業での入札においては、入札を中止し業者に書類を書き直しさせ、予定価格の99・6%で受注させました。さらに職員には「口止め」をするなどを行ない580万円のワイロを受け取ったとされています。
 現在、GIS九州が受注している固定資産業務の検証が済んでおらず、引き継ぎの事業費が確定してからの補正予算でも良かったと考えます。
 さらに事件の概要や再発防止策も不十分なままでの予算執行には賛同できません。
 
 約3000名の個人情報が自衛官の募集事務に使われている
 唐津市は、自衛官の募集目的のために14歳と17歳の氏名・住所・男女・生年月日の4項目の個人情報を自衛隊佐賀地方連絡部唐津出張所長の求めに応じ毎年約3000人の名簿を提供しています。
「国と市の情報のやりとり」だから「確約書」を交わしているから問題はない。としていますが、その名簿を元に募集に来られた家庭はビックリされるでしょう。
 唐津市は、市民情報を提供することには反対です。
 
 原子力発電広報安全等対策
この事業は「原子力発電に関する知識の普及と安全の確保を目的」にしています。
 しかし、国の安全審査を合格して設置されたはずの柏崎刈羽原子力発電所は、昨年7月に中越沖地震によって7基の原子力発電所がストップ。運転再開の見通しも立っていません。
 原子力発電の安全を強調するこの事業は即刻止めるべきであり、市民の安全に寄与する事業内容に変更すべきです。
 
同和事業関係
 国は6年前に同和事業を廃止しているにもかかわらず、「結婚問題を中心とした心理的差別が存在する」との認識の元に「差別解消のためには必要」との唐津市の立場です。
 私も、人権擁護・あらゆる差別に反対の立場をとるものでありますが、特別扱いの事業は廃止されなければなりません。
 唐津市が行う同和事業は、50%を県が負担し残り50%を唐津市が負担することになっていますが、このルールに反し多額の負担を行っています。
 例えば、教育部所管の「唐津市同和教育集会所運営費」555万円が計上されています。
これに県は147万円補助しています。残り408万円を唐津市は負担しています。
 唐津市の主体的な取り組みを強く求めます。
 
 特に指摘しておきたいのは、市営住宅における入居問題
 市営住宅条例では「入居は公募しなければならない」となっています。
しかし、公募されていない市営住宅団地4団地があります。
 入居申し込みを部落解放同盟を通しておこなっている結果、現在4戸が空き状態で放置されていることも委員会審議で明らかになりました。このことは、唐津市に家賃収入が入らないという損害を与えていることにもなります。
 市営住宅の入居申し込み窓口を「部落解放同盟」とするやり方は即刻改め、公募による入居希望者に開放することを強く求めます。
 
放課後児童健全育成事業等負担金
 放課後児童クラブ負担金1500円を7月から2000円に引き上げるものです。
引き上げの理由を「負担の公平」というものでありますが、負担の公平を掲げるのであれば今後も際限なく引き上げられることになりかねません。
 「子育て支援」「母子支援」「元気の出るまちづくり」などに力を入れる坂井市長の行政方針に反すると考えます。
 
 「唐津市体育館設置条例の一部を改正する条例制定」
 工業団地造成のため、長年厳木町民のスポーツレクレーションの施設として親しまれていたものを新たな代替え地を決めないまま条例を廃止しようとするものです。
 私は、工業団地造成そのもに反対するものではありません。
 しかし、厳木町民は、「条例を廃止されれば新たな施設が間違いなくできるか不安」といっています。代替え地決定を強く求めます。
 
国民健康保険予算及び条例関係と介護保険予算
 介護保険や保険税が「払いたくても払えない」との悲鳴の声が上がっています。
 平成18年度決算資料によると、国保税を払えず所在不明(夜逃げ)の世帯が53世帯。生活保護世帯になられた世帯が99世帯もあります。 
 保険料負担がもはや限界にきていることを示しています。
さらに、来年度の国保限度額が3万円引き上げが予定されて59万円になり、介護保険料と合計で68万円となることになります。
 安心して医療にかかれる制度にするためには、健康づくりや後発医薬品の使用頻度をあげるなどで医療費の抑制。一般会計からの繰り入れと国県へ一層の支援を本気で求めるべきであります。
 今年10月から保険料の納入方法が65才から「年金天引き」を予定しています。
 年金生活者にとって年金は生活給であり生きていくうえでの命の綱でもあります。
 本人の了解なしに、「保険税の天引き」することは憲法13条の「幸福追求権」及び25条の「生存権」をおかすものであり。反対であります。
 
 最後に後期高齢者医療制度関連
75歳以上の高齢者全てを「後期高齢者医療制度」に 今年の4月から移行させようとしています。なぜ75歳以上になれば別の医療制度に移すのでしょうか。
 理由は「高齢者の心身の特性に応じた医療と、その医療費を国民全体で支える仕組みをつくるため」としています。
 「高齢者の心身の特性」とは「治療してもどうせ治らないから」「どうせ死は避けて通れないから」ということで「包括治療(均一料金)が導入」されます。
「75才以上を過ぎたら積極的な延命治療は行わない」という安上がりの医療のねらいが明確です。
 40歳から健康診断をメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を中心に変更し、 75才以上は、この特定健診を生活習慣病のある方は除き希望者のみとしています。
 桝添厚労相は、その理由を「健診による予防効果より、本人の残存能力をいかに維持するか」とのべていることからも健診による健康づくりは「ムダ」といわんばかりです。
 
 
 
 
 
 扶養家族からも年金から天引き
 家族の扶養になって保険料を負担していない人も猶予期間はありますが年金から天引きです。否応なしの取り立てです。
4月15日に振り込まれる年金から(2・3月分)から2ヶ月分の引かれます。
年金が少ない月1万5000円以下の方は自分で納めることになりますが、払えなければ世帯主に連帯責任を負わせることにしています。
 医療保険は「別居」させておいて保険料取り立ては「同居」では納得いきません。
 
 葬祭費も減額する方針
 国保加入者や健康保険(いわゆる社会保険)加入者が死亡したときは「葬祭費」が支給されますが健保は5万円です。後期高齢者医療制度では葬祭費を節約して一律3万円にしています。
 74歳で亡くなったら5万円の葬祭費なのに75才で亡くなったら3万円に減額です。  長生きのお祝いに増やしていいものを減らすなんて「長生きした人への罰則」そのものではないでしょうか
 長年社会に貢献して来られた高齢者が安心して暮らせる・医療にかかれる制度を作ることこそ必要であります。
 日本共産党はこの制度を中止・撤回させる運動をすすめ、学習会や集会を繰り広げてきました。
 参加者からは「年取って肩身せまくなった」という人もおられました。
2月28日に野党4党で共同してこの制度を廃止する法案を衆院に提出しましたが、与党の自民公明の反対によって審議入りがされないままとなっているのが残念であります。
 75以上の高齢者を別枠の差別的な制度に追いやる「後期高齢者医療制度」はキッパリと廃止撤回を求め反対討論とします。