浦田関夫
2010/9/13
上場開発の負担金の軽減策を
(浦田)日本農業は、工業製品の輸出の見返りとして農産物輸入自由化を実施してきた。その結果、農産物の価格低迷を招き、農家経営は窮地に立たされている。 
 特に、上場地域においては、土地改良事業費の農家負担金が払えない農家が増えてきている。これまでも、平準化対策や金利の軽減策がなされてきたが一向に滞納額が減らない。これまで以上の農家負担の軽減策をもとめる。
 上場土地改良区の10年前と現在の滞納状況について
(農林水産部長) 平成21年度の滞納額が1億4700万円、10年前と比べ7400万円ほど増加している。そのうち唐津市分は1億2200万円。これも増加している。
(浦田) 滞納の対応策は。
(農林水産部長) 上場土地改良区で滞納整理委員会、賦課金収納率向上対策推進本部を設置し、滞納者への収納対策がされている。
推進本部の活動は、月一回会議で滞納原因の分析、納入依頼書 催告書の発行をおこなうとともに、理事により個別訪問や面談等で徴収率の向上につとめられている。このような取り組みで平成19年度は未収賦課金がいったん減少したが平成20年度には再び増加している。
 一方、長期にわたり収納できないケースについては受益者の公平性を確保するため法的に差し押さえの対応も検討している。
(浦田) 農業情勢が厳しい情勢のなかでは払いやすい状況をつくることが先決ではないか。農家所得の向上や農産物の価格向上など。
(農林水産部長) 農業の経営安定が重要だ。経営安定化に資する制度、農協、関係流通業界とも協力して価格の安定化、生産に見合う消費価格の設定を各方面にお願いしながら農業経営の安定に対応している。農業所得が向上しないと賦課金の返還も簡単ではない。
(浦田) さらなる減免策として市としての考えは。
(農林水産部長) 上場開発負担軽減策は、平成16年度は償還利息5%が4%に軽減され、償還期限の37年まで上場全体の農家で6800万円軽減されることになった。19年度は財政投融資にかかる特別会計については国の財政計画との関係で償還方法が変更することができないという回答を受けていた。平成19年度から現行の償還利息4%が農林漁業金融公庫の変動金利のいずれか低いほうを選択できるということになったので新計画償還助成事業の制度を検討して結果、7400万円ほどの負担軽減となった。さらに20年度に新しく土地改良負担金償還特別緊急支援制度が創設され国、県合わせて農家負担で4億8900万円の軽減となる。これに県営事業担い手育成支援事業が早いところでは平成7年度から実施されているので換地区ごとに完了までに約6億9600万円負担軽減となる。農家負担総額は13億2000万円になる。
(浦田) 払う側としては、後いくら払えばいいのかわかりにくい。個別の返済計画を全農家に渡すべきだ。
(農林水産部長) 今年11月賦課金通知に償還年限までの償還額についての説明書を添付すると伺っている。
(浦田) 一括返済はできないか。
(農林水産部長) 国の特別会計にかかる財政投融資資金の取り扱いで制度的に一括償還ができない。一般会計による事業をおこなったものは一部実施されている。
 
固定資産税の課税漏れ土地開発公社の運営
(浦田) 平成15年、土地開発公社所有地がの民間に貸付けている土地及び本来の業務に寄与しない土地の固定資産税が課税されていない。
 唐津市は、土地開発公社に甘い体質があるのではないか。課税漏れの面積、課税した場合の税額は。
(財務部長) 本来土地開発公社に賦課すべきものは、16年度分から課税の必要性があった。それを合わせ22年度分まで7ヵ年、延べ90筆、面積6万6431.22u、税相当額1695万円。
(浦田) 7年分1695万円課税されなかった原因は。
(財務部長) 15年3月施行令が改正され、有償で貸付けている土地については今後課税するよう改正され税務当局、公社のほうに通知がきていたのを内容の精査について適切な判断をせず見送っていた。事務のあり方公務の携わり方が非常に不十分、不適切であったと反省している。
(浦田) 身内に甘いのではないか。アンテナを高くしておく必要がある。今年の5月28日付の福知山市の土地開発公社の簿価捜査の関連記事の中で、土地開発公社で有償で貸している土地、目的外で使っているものは課税しななければならないと記事がある。。5月、6月の段階で知り得たのではないか。それでも気づかなかったのは身内に甘い体質がある。
 有償で貸しているものだけか。塩漬けの土地もあるのか。
(財務部長) 有償で貸し付けている土地にかかるもの。
(浦田) 特定用地についても課税しなければならない。30年以上市が再取得する見込みがないのも課税すべきではなかったのか。
(財務部長) 特定土地は、通知があり、21年度決算まで仕分けしなさいと通知が来ている。来年度23年度から課税することになる。
(浦田) 土地開発公社の経理基準要綱解説QアンドAには、特定用地についても課税しなければならないという記述がある。塩漬けの土地は、明らかに買戻し見込みがないのは課税すべきではなかったのか。
(財務部長) 平成21年度決算までに仕分けするよう通知がてきている。21年度決算を5月までに終え、理事会等にはかり議会等に通知している。平成23年度を賦課期日として、課税することになる。いままでの課税漏れには該当しない。
(浦田) 明らかに使う見込みのない土地は課税対象としてある。当然、課税金額の中に入る。
 7年分課税するのか、時効は5年。以降は課税しないのか、5年分だけか。
(財政部長) 16年度分から7ヵ年であるが、法的に5年分。18年度分から22年度分まで課税する。金額は、5年分で1054万8千円となる。
(浦田) 三木市は市長と前市長が負担の裁判をされているが。唐津市は時効になった分については補填するか。
(市長) 土地開発公社の土地のうち有償貸付土地にかかる課税漏れがあったことに深くお詫び申し上げる。
 二度とこのようなことがおきないようしっかり努める。過去5年を越える部分については三木市の先行事例として訴訟の行方、全国自治体の動きを見守りながら厳正に厳粛に対応してまいりたい。
(浦田) 土地開発公社の土地の簿価から時価へ評価替えがおこなわれた。それで12億円も発生した経緯について。
(財務部長) 17年に地価が大きく下落傾向にあり、損失も先送りするので時価評価をするように基準の通知。21年度決算まで実施にうつすことにおこなってきた。12億円評価損で。合計簿価62億9862万円。 今回時価評価の切り替え21年度決算から45億8170万円 。そのうち5億は国、唐津市への買い戻し、純粋には12億となる。
(浦田) 損失出したのは唐津市にある。市民への説明責任はあるのではないか。
(財務部長) 公社の理事会で説明し了解を得た。その後市に報告し。県、総務省に報告はあったもので。
(浦田) ホームページでも報告すべきだ。
(財務部長) 議会への十分な説明をはじめ市民へのわかりやすい説明等をを果たす努力をした。
(浦田) 土地開発公社の運営は今後厳しくなるのではないか。特定用地にかかる利息は、当年度の単年度で赤字になるのでは。
今後の運営については。
(財務部長) 低金利の時代で先行取得の意味を持たなくなっている。処分等にも取組む予定。現在、21年度決算も39億7000万円の借り入れで45億の評価の土地を保有している。現在はなりたっている。金利は、低金利で、設立当事に比べればそう急激な経営の悪化を招くものではない。
(浦田) 売れる見込みはあるのか。40年も塩漬けの土地が売れるのか。土地開発公社の経営について。
(財務部長) 先行取得する意義は薄れている。今後、市に損害のないあり方を十分検討していきたい。
(浦田) 土地開発公社は解散する時期になっているのでは。
(市長) 49年に設立した。存続の有無を含めて検討を進めてまいりたい。
 
公園管理
公園の管理が行き届かなかったり遊具施設が不十分で十分利用されない公園が見受けられる。市民に楽しまれる公園づくりを求める。
 市が管理する公園と種類と管理方法について。
(建設部長) 市が管理している公園について建設部で管理しているものは246ヵ所、種類は、都市公園、普通公園、児童遊園、観光公園、農村公園の一部も管理している。管理方法は、公園課、支所の建設水道課で管理しているが、一部の公園は日常清掃、除草を地元の団体、老人クラブ連合会に委託してる。地域と結びつきが強い、子ども遊び場は日常的除草、清掃は地域のボランティアで管理をしてもらっている。遊具の事故について、公園課の職員が年2回点検をしている。
 
(浦田) 都市公園等の報奨金が出ている公園と出ていない公園が出ていないのはどういう考えか。
(建設部長) 都市公園愛護会を設置してもらい、日常的管理の謝礼としての支出してる。246施設あるが、都市公園に関して地域住民と一体になって管理したいとして1割の25公園で管理している。地域では子どもの遊び場、、小規模な団地公園などは、日常的管理は地元でしている。 
(浦田) 遊具の設置は市民の要望にこたえてつくること。
(建設部長)  地元声を聞きながら対応していく。
 
志佐治徳
2010/9/14
狭い運動場の改善計画が必要
(志佐) 「唐津市の教育」によると市内の小学校の運動場の広さが41校のうち1万u以上を有している小学校は12校あり、大志小学校は11番目となっている。児童数一人当たりの広さは24u、それよりも狭い学校が7校もある。これはどういうことか。
(教育部長) 大志小学校の運動場の面積は10431uとなっているが、現在の大志小学校5314uに旧大成小学校5117uを含めたもの。現在の大志小学校だけでは一人当たりの面積は12.3uとなり市内で一番少ない面積になる。
 実際と違うのは、現在の大志小学校の運動場は平成16年の学校統廃合にあたり旧大成小学校運動場及び屋内運動場を教育財産として大志小学校に引き継いだもの。第2運動場、第2屋内体育館として位置づけている。
(志佐)運動場の適正な広さは。
(教育部長)小学校の運動場は、最低必要な保有面積に対する国の小学校設置基準省令では、運動場の広さを定めている。それによると児童が240人以下は2400u、大志小学校の場合は、400人程度いるので4333uが基準になる。現在基準をクリアーしてる。市内では平原小学校だけが基準を満たしていない。ただし、地域の実態その他特別な事情があり教育上支障がない場合はこの限りでないと定めてある。
 
買い物難民をなくすために
(志佐) 厳木町高倉地区は、人口400人世帯数200戸弱ぐらいのところで唯一の店が閉店されることになっている。お店が遠い。お年寄りは買い物難民になる。 独居、老人世帯が多い。車無しの世帯が8戸ある。厳木町では6割以上の集落が店がない。そこに老人世帯が167世帯。 買い物難民が中山間地域に集中してる。バスがなく車もないところで買い物に不自由されている世帯が多い。手当てをするためにもその実態調査をすることからはじめるべきだ。
(商工観光部長)実態調査は、今年度地域活性化拠点プロジェクトチームを立ち上げ、実態と対応を検討している。旧町村部では206地区のなかで、食料品などを売っている店がまったくない地域が118地区(6割弱)ある。以前はあったがその後なくなった地区48(23%)ある。買い物に困るような地区が増えていることは十分見て取れる。
 今年度地域総合整備財団の地域再生マネージャーによる地域診断をしていただいている。厳木、呼子、七山の3地区をモデルとして生活環境の調査を実施した。厳木地区では星領、広川、鳥越、寒川などの集落の役員の方々とも意見交換をおこなった。このような調査診断の結果、買い物、通院など人々の生活に現状では多少の不便はあるものの致命的なものとはなっていない。しかし、5年先、10年先には悪い方向に向かう恐れがある。
 いまから対策を打っていく必要がある。
 民間での取り組みなどもみながら、行政としてどういう取り組みをなすべきか今年度プロジェクトチームの調査、議論の中で来年度以降の施策に結び付けて生きたい。
(志佐)公的支援をしないと民間ではできないこともある。共同購入や移動販売に対する支援を進めていく時期にきているのではないか。
(商工観光部長)買い物に困る人は病院、、銀行、郵便局など生活の基本的サービスについても困難な状況にある。それをどう支えていくか。それをプロジェクトチームでも全般的に考えていく。一つの考えとしては生活拠点を確立してそこに集落から移動、そこから宅配、移動車で販売など必要ではないか。民間ベースでなりたたなければ福祉的にどういうサービスができるのか検討しなければならない。総合的に実態をみながら対策を考えていきたい。
 
北波多中学校横の信号機の待ち時間の短縮を
(志佐) 北波多中学校の信号機が待ち時間が長い。実態調査をしたら、北波多中前は長い。 1中前は16秒±5秒、5中前18秒±6秒、厳木中前50秒±5秒、本山小前21秒±9秒北波多中前90秒±30秒 であった。
 どのようにして決めているのか。時間短縮できないか。
(建設部長) 19年11月22日付で 地元の徳須恵地区から反感反応式の信号機の待ち時間を短縮してほしいと要望があった。
 20年1月唐津警察署と現地で協議した。その結果、待ち時間は2分から40秒であり、国道202号の交通量をスムーズに流す渋滞を避けることが念頭に置き、佐賀銀行の徳須恵出長所のところの信号機と連動している。待ち時間を短縮するためには、連動を断たなくてはならない。そうすると国道202号線の更なる渋滞になりかねないということで信号機のサイクルタイムの変更は見送りたいという警察の判断があった。
 
大島邸の文化財に
(志佐) 大島邸は佐賀県を代表する近代和風建築物といえるのではないか。唐津市が指定文化財にしない理由は。8月始に発足した懇話会の中で西和夫先生が調査を依頼され、中間報告がされた。県の報告書と西調査団の中間報告書と比較、総合して教育委員会はどう判断しているのか。
(教育部長) 旧大島邸については文化的価値について十分認識している。唐津市としてすべて指定して保存することはできないので、総合的に判断して指定していない。 現時点では中間的な報告を懇話会でいただいている。これは調査は正しい評価を普遍的におこなうためのものであり、現在の調査は継続中であり評価は確定したものではない。
(志佐)建築史学会の要望書が出ていると思うが、どういうことがいわれているか。
(教育部長)6月15日に旧大島邸の保存に関する要望書が出ている。建築史上の価値について書いてある。1、明治中期の大規模かつきわめて上質な住宅で当時の和風住宅の庭をともなう建築構成や意匠の優秀さの特徴をよく示している。2、旧唐津銀行創立者として知られる。鉄道敷地や唐津港整備など多方面で活躍した大島小太郎という唐津市の歴史上重要な人物の自邸でその功績を知るうえでも欠くことのできない存在である。3、吟味した上質の木材を使用しすぐれた大工技術を幾度もなく発揮して明治という時代のすぐれた住宅空間をつくりだしている。4、手彫りの黒檀を用いた床柱や曲がり木を活かした優れた造りをもつ茶室、敬日庵があり当時の茶の文化の高さを示す。 5、客を迎える部屋や生活する部屋のみならずそれを支える台所、風呂、便所など奥向きの部屋もよく残り当時の生活ぶりや風俗、習慣など時代と社会をよく示している。
(志佐)いま述べられた前には、旧大島邸は以下のとおり建築史学上きわめて貴重な建物であり唐津市の歴史を示す遺産としても重要なものであります。貴市におきましては、このたびの計画に際し、このかけがえのない文化遺産を後世に継承していただけるよう深甚なるご配慮をお願いします。となっている。
 記録保存は文化財指定の事前調査になるのか。
(教育副部長)指定の前提になることではない。
(志佐)西調査団の調査は事前調査になるのか。建築史学会はどういう組織か。
(教育副部長)大島邸の歴史的文化的価値をきちんと検証するために記録保存の一環として大島家文書も含めて教育委員会で調査している内容。記録として残す事業。
 指定の前提になる調査かということは、当然包括しているものと理解してる。
 建築史学会は日本建築の学術的な専門家の組織。学術的な評価をおこなう際に客観的な立場でものを言われる組織。 
(志佐)平成8年に県の報告書がでて、10年に唐津市が建物を買い、そのとき指定のための事前調査をしようとしたのか。
(教育副部長)平成6、7年の県の近代和風建築調査の際に、担当課として調査の資料作りもし、専門家が見えた2次調査にも立ち会った。その結果評価されたものと了解してる。その後文化課として 事前調査にあたるような学術的な調査をなぜしなかったのかというと、専門家しての調査がおこなわれてると理解していて明治12年、13年とそのときの評価について専門家の意見として学術的評価の一端だと理解していた。改めて調査する必要性は感じていなかった。
(志佐)なぜ指定しなかったのか。
(教育副部長)全体としてすべての建物を評価しそれを文化財に指定するわけにはいかない。
 総合的判断のもとにしなかった。
 明治の中期の建物であると建築年代も評価が変わって定着していない。
(志佐)文化財指定審議会への諮問は予定されているか。
(教育副部長)総合的な判断をして予定はない。
文化財保護条例では、他の公益性の調整に留意しなければならないとしている。学校建築という一般的、社会的な利益ということを総合的に判断して指定しては残さない。