08/6一般質問

<浦田関夫>

Q唐津市汚職事件の徹底究明を

A変更内容の指示は唐津市の意思

 唐津市が発注した「固定資産評価システム構築業務」に絡む受託収賄事件の判決が23日午前11時から佐賀地裁でおこなわれる。

 唐津市は、事件後直ちに「再発防止調査委員会」をスタートさせ、5月には外部委員を加えた委員会を立ち上げ再発防止に取り組んでいるものの、不正をおこなったGIS九州にそのまま仕事をさせ、委託金1億4150万円を支払った。

 このことは、不正を容認することであり公平な行政とはいえない。私たち議員団は、不正でおこなわれた契約そのものが無効であり、解除すべきで「契約金を払うべきではない」と坂井市長に申入れをしてきた。

 不正のやり得を許さない。税金の無駄遣いをやめ大切に使うことが大事である。

 市政への信頼回復には毅然とした態度で行政も議員も臨まなければならない。

 固定資産評価システム導入計画は、1年もかけ検討を重ね「デジタル撮影で業務発注」と決定したにもかかわらず、再発防止委員会の「中間取りまとめ」では「契約締結後GIS九州から申し出があった入札条件と異なる仕様変更について、税務課は拒否したにもかかわらず、元総務部長の命令による重大な変更がおこなわれた」と述べている。

 裁判の陳述でも明らかなように、元総務部長の指示によって書かれた指示書は賄賂で動かされたもので市の決定とはいえない。

(総務部長) 航空写真撮影及びデジタルオルソ撮影業務であり、写真撮影の方法としてデジタルとアナログがあったので、デジタルオルソ業務がアナログに代わったのではない。アナログでも修正作業は当然含まれている。だから業務の部分的な指示をしたことはまちがいないが、最終的には市の意思として業者に伝わり、その業務が完了した。変更内容の指示は市の意思である。

(浦田) 再発防止委員会の中間とりまとめでは、契約締結後にGIS九州から申し出があって入札条件と異なる仕様-これは重大な変更だということで税務課職員も断った。話を持ち込んだのはGIS九州で、唐津市がさせたのではなく、業者の指示で唐津市が業務の内容を変更したのではないか。

(総務部長) 業者からは提案であり、指示書を出したのは市。

(浦田) 業者は賄賂を贈って指示変更をさせたのではないか。ハンコを押したとき大谷前総務部長も疑問を持ったと答弁されている。税務課の判断は間違っていたのか。

(総務部長) この指示書を出す課程で適切ではなかったことは認めている。

(浦田) 平成181110日におこなわれた「固定資産土地評価統一及び情報管理システム導入業務」入札において、入札をする場合財務規則98(次の各号に該当する者がおこなった入札は無効とする旨入札前に公表しなければならない)と規定がある。2業者が参加されたと聞いたがだれがどのように告知されたか。

(税務課長) 提案された内容を検討して業者を決定する方法を採用しているので入札に関する方法は説明していない。

(浦田) それでは財務規則違反になるのではないか。入札の一種ではないか。

(総務部長) 入札ではない。随意契約である。

(浦田) 競争入札のあり方の一つではないか。不正入札の場合は、無効になるということをお互いに納得した上での契約で、不正が明らかになった場合は市に損害を被ると納得した上での契約か。

(総務部長) 2回目の業務はまだ途中であったということで、事件がわかったのは昨年の12月である。まだ刑が確定しない段階で一旦契約したものを解除ということには至らない。市にとっても確実に遂行させることが有利であると現在の判断だった。

(浦田) 損害が出たことは明らか。デジタルにかわった場合必ず影響がでると答弁もあった。

少なくとも3700万円は損害を被ったという認識はないか。

(総務部長) 第1回の入札にたいして損害に対して現在訴訟もおこなわれている。これを決定するのは何らかの刑が確定してからのこと。損害額を算定するのはわれわれでは無理がある。裁判において示されるものと思っている。

(浦田) 唐津市が競争入札をしなかったことで多額の損害が発生している認識はないか。

(総務部長) 不正に基づく損害額を確定することには至っていない。業者が偽って契約したのではないかと逮捕されたが、市側からの責任でおこなわれた。損害を業者に問うべきであるという意見もあった。市長に損害訴訟の向きも変わってきた。判断は司法にまかせるほかはない。

(浦田) 入札は正しいのか不正と考えるか。

(市長)  この件に関しては監査委員の監査意見の判断と同一である。デジタル撮影からアナログ撮影に変更することについは、ある趣旨の決定のもとにおこなわれ成果品が出来上がって活用されているので市が損害を受けているとは一概に言えない。 佐賀地方裁判所に損害賠償事件として訴状が提出されている。今後、 裁判の中で検証されるものと考える。

(浦田) 業者のヤリ得、不正の温床を取り除く、再発防止についての考えは。

(市長)  18年度業務は既に完了している。19年度業務は競売入札妨害等の刑が確定していない段階で、契約したものを誠実に実行してもらうことが新たな契約による二重投資が市の損害が少ないと判断した。20年度はGIS九州を指名業者からはずし、GIS九州のシステムソフトの入れ替え業務を実施している。今回の事件に関わるGIS20121日から8カ月の指名停止、125日にはさらに4ヵ月延長し、計1年間の指名停止を科している。

(浦田) 総務部長室にあったとされる別ルートの1000万円の徹底究明が求められる。裁判では立ち消えになっている。警察に徹底的に調べてほしいと申し上げるべきではないか。

(総務部長) 再発防止委員会でも対策をとっている。1000万円の件は一切関係ないということしか警察からこない。検察庁あてに照会することは理論的に無理がある。第三者がいうことはとりあげてもらえない。被告人への弁護人に対しての照会は、免職になったものの責任をその後とれるかという難しい問題がある。調査委員会としては、弁護士に対する照会をいま検討している。

 

学校統廃合と地域活性化問題

(浦田) 学校統廃合の問題は、周辺部の小規模校にとって存続をかけた問題で、子ども、保護者、地域を巻き込んだ大きな問題である。学校は、地域のコミュニティーの中心であり活力の源でもあり、学校がなくなることは地域の元喜を奪うことになり、地域の将来をも奪いかねない。 学校がなくなれば、いままで住んでいた若者が中心部に移り住み、地域の疲弊を加速し、限界集落を行政が生み出す作用にもなりかねない。

 教育委員会や市は、統廃合の話ばかりが先行し、地域活性化の話は後継に追いやられた感じがする。学校の存在なくして、若者の定着や他地域からの移住は期待できない。地域活性化からみた学校統廃合の考え方を伺いたい。

(教育長) 合併協議会での課題であった。少子化の経過で小規模校をつくると教育効果の問題あり、唐津市立学校通学区域審議会が立ち上げられ、2回の答申がおこなわれた。この答申を受け、各地での説明会をしている。まず中学校からすすめていく。1年間かけて意見交換をし、基本的な合意をつくっていただき、2年目には通学方法の支援措置のイメージをもつて、統合のかたちになることを説明した。中学校の次に小学校にすすめていく。

 地域の活性化と統廃合の考え方は、各地域の学校には伝統と歴史がある。地域の実態に照らした教育活動がおこなわれてきた。保護者や地域住民の理解や協力で教育活動が展開されており、学校が地域に果たした役割は大きいものがある。しかし、近年の児童・生徒の急激な減少は学校の小規模化をますます加速化し、学校教育のあり方にさまざまな影響を与えている。また、今後も与えることが予想されている。少ない子どもでは互いに刺激も少なく学力面や社会面を培う点でも不安が大きく小学校では複式学級が増えていくことも保護者にとっては大きな心配ごとではないかと考える。児童・生徒の急激な減少による学校の小規模校が引き起こすこのような不安や心配ごとが考えられるときに、児童・生徒によりよい教育効果とよりよい教育環境の整備をはかることは教育委員会の責務である。通学区域審議会答申に基づいて教育効果をたかめるためにはある程度の人数を確保しての集団による教育活動が必要であるということをもとに学校統廃合の計画をすすめている。

 学校統廃合と地域の活性化は難しい問題。2者択一すべき問題ではない。子どもの教育を重視する観点から教育委員会として学校の統廃合について検討していきたい。地域活性化については、地域にあった総合的地域振興策について意見交換等をしていくべきではないか。とくに、今後市長部局と連携をとりすすめていく。

(浦田) 早稲田中・校の進出や唐津東中・校一貫校で小規模校への影響は。小規模校のよさをしかした学校づくりをひろめて通学希望者を募ることができるのではないか。

(教育長) 小規模校を加速させるとは心配していない。進学の幅が増えたが大幅にそこに流れるとはいえない。

 学校選択の自由をゆるやかにとらえたい。わざわざ小規模校ヘいきなさいと呼びかけの考えはない。

(浦田) 旧唐津市では、複式学級のために独自の職員を配置していた。新唐津市になっては人的配置が弱まっている。小規模校でも人的配置は教育委員会の責務だと考える。

(教育長) 合併後は複式学級に一人の加配になった。複式を解消するためではない。

 

障がい者の自立支援策を求める

 国は、障害者団体や国民の世論に押され「一部見直し」をおこなったが、障がい者や障害者団体がおかれている基本的な解決にはなっていない。

 唐津市は、「障害者基本計画及び障害者福祉計画」を平成19年3月に策定した。障がい者の方が、社会参加と労働意欲を高める自立支援にもっと援助すべきである。唐津市がおこなったアンケートでは「就労支援」の要望が強い。現在の就労実績とそれぞれの年度ごとの計画ととりくみ。

 施設運営が団体任せになっており、施設の指導員の方は、技術と受注活動に慣れておらず、そのため仕事が少ない。報酬が少なくなるなどの悪循環に陥っている。市として積極的な支援が必要である。

(保健福祉部長) 法定雇用率(1.8%)を上まわっている。半数以上の方が就労意欲があっても就労していない状況。

(浦田) 和多田にある「はまゆう」の授産施設でバス代が往復600円かかる。1日の報酬は400円。唐津市は要綱で交通費を助成しているが精神障害者は対象外になっている。施設利用者への交通費の支給を。

(保健福祉部長) 「はまゆう」作業所には550万補助金を出している。そのなかに工賃をあげるための指導者を雇うのも含まれている。通所授産施設は1割の負担があるが「はまゆう」は無料である。交通費については考える。

 

市役所庁舎のあり方

 市庁舎検討委員会がスタートした。しかし、市庁舎建設については多額の費用がかかり、旧まいづる百貨店の再開発ビルの入居問題ともあわせて十分な市民合意を得る必要がある。

1回目の検討委員会を今月4日に開いた。8月には結論を出すといっているが、重要な要素を含んでおり、時間をかけて結論を出すべきだ。委員会での協議内容はどういうものだったのか。耐震性が問題とするなら、学校などを優先すべきではないか。

(総務部長) 検討委員会では、市庁舎の現状と老朽化の度合いの報告をし、4回庁内の検討委員会を開いた。そこで出た意見のまとめとして紹介し、意見をいただいた。

(浦田) 場所、新築か改築かなど市民の関心事である。

(総務部長) 2ヵ月ですべての結論を出す考えはもっていない。

 まず、場所はご意見を聞き参考にし議会に諮る。建て方も合意をしていただく。その後建てる時期は議論をしていただく。老朽化学校は1中と大志小学校。

(浦田) 財政問題も含めて論議しなくてはならない。合併協議のなかでは建てないとしていたのではないか。

(総務部長) 合併時に建てないとは承知していない。たとえば2万uの床面積が必要ではないか。そうすれば60億かかる。合併特例債も検討材料。

 

長松大橋の交差点の赤川交差点に時差信号機を

 国道204号バイパスは交通量が多く、右折用の時差信号機が設置されていないため朝夕の時間帯は特に渋滞をきたしている。

 渋滞解消に向けて早期の設置が必要と考える。市としてこの渋滞解消に向けてどのような認識を持っているか。

(建設部長) 国道204号線の和多田瀬田原から唐房入口まで時差式信号機が設置されているところが6ヵ所、設置されていないところが9ヵ所ある。赤川交差点及び長松大橋交差点には右折のための信号機は必要と認識している。唐津警察署を通じで県公安委員会にお願いをしたい。

 

 

<志佐治徳>

厳木町スポーツ広場の代替施設を急げ

(志佐) 地域の均衡ある発展と健康で文化的な生活を保障する見地、交通の便と学生の利用も期待できる厳木高校の南の厳木地区と浪瀬地区にはさまれた高台が最適ではないか。

 地元での検討委委員会が開かれているが、調査費が提案できるのか。 

(厳木支所長) 各種団体の代表者によるスポーツ広場代替検討会を発足し、3回検討会をした。地元者意見を聞いて、必要規模や設置場所の検討をしたい。

(地域振興部長) これまで住民の方から強い要望があった。災害の防止、環境保全、都市的便益の確保を目的とした開発行為の許可が必要となっている。工業団地の@木地区と岩屋地区は、調整池を設置していく。整備に当たり下流域に被害を及ぼさないよう十分な配慮をしたい。

 (教育部長) 調査費は、経費については、現在、地元の皆さんが検討委員会で検討されている。十分意見を反映させていくべきだ。

 

厳木工業団地の開発について

(志佐) 厳木町の工業団地の開発について、調整池だけで汚水対策ができるのか。調整池を駐車場とすればいいのではないが。

(地域振興部長) 地形的に険しく出入り等が困難である。利用は困難である。

(志佐) 企業に正規労働者を雇用してもらうようにするため、正社員で採用を進出競艇に入れるよう求めたい。

(地域振興部長) 進出協定項目には、環境保全、公害防止、地元雇用の推進などもりこんでいる紳士協定である。企業には経営方針がある。仮に企業誘致をする方が正規雇用を半ば義務付けると企業進出に影響をあたえかねない。安定した雇用の場を確保することは企業誘致の大きな目的であり、企業進出が決定した際には、積極的に正社員として雇用するようお願いしたい。 

 

ダストクリーンの野積みの解消を求める

 相知町に産業汚泥を野積みしている。泣_ストクリーンが佐賀県から業者許可取消しの処分を受けた。地域住民は悪臭による苦情を訴えている。夏を前に撤去等の対応を求める。唐津市とのかかわりはどうなっているか。

 代執行を検討しているか。

(市民環境部長)  平成1411月に相知町と環境保全協定を締結している。平成1612月以降、悪臭に対する苦情等がよせられるようになった。保健所と一緒になり立ち入り調査の対応をしてきた。 1

(市民環境部長) 県は早急に撤去、処理の改善計画提出の指導がされている。その後の対応は、県は、排出事業者にも対応している。最終的に処理をされないと最終的なそちになる。

 

GIS九州との契約を解除し信頼回復を

 汚職事件の発生による信用失墜から市民の信頼を回復するには、GIS九州との契約を解除することが最善の方法であると考える。早急に契約の解除を求める。

 役員の不正があって処分したというが不正の内容は。

(総務部長)  職員の処分は懲戒処分。契約の解除。指名停止の理由は、GIS社の役員の不正による逮捕ということから指名停止基準に基づいて指名停止を行った。

(総務部長) 1213日に会社役員か詐欺罪容疑で逮捕。1228日に容疑者3名で競売入札妨害罪。121日受託収賄罪容疑で再逮捕。123日職員の処分、その後指名停止の処置をした。

(志佐) 唐津市とGIS九州が委託業務を結んでいるが。そこの不正に該当するか。

(総務部長) 不正があるときは、第8条、9条に定めがある。委託契約書にも適用できる罪である。

(志佐) 第9条は契約の解除で、唐津市はGIS九州がそのいずれかに該当するときは、いつでも契約を解除することができる。この場合、契約の解除によって生ずるGIS九州の損害については責任を負わないものとすると書いてある。その第1項には、不正な行為によりこの契約を締結したとき。2項で契約事項に違反したときと定めてある。GISの行為が

9条に該当するか。

(総務部長) 9条の不正行為に該当するが、しかし、契約を結び、民法上の契約が成立した以上は、不正行為が確定した後ということになっている。

(志佐) GIS九州との委託契約には、そのような規定はあるか。

(総務部長) 委託業務には、それぞれに契約書をつくるが、守らなくてはならないということは財務規則等など地方自治体で定めることになっている。しかし、地方公共団体と民間との契約となるので民法上の契約となる。その損害賠償、契約の解除は、建設工事でいう工事約款の第46条と46条の2にあたる。書いてなくてもそういう取り扱いになる。

(志佐) 拘束するものは民法のほかにあるか。

(総務部長) この業務委託契約はその法律によるもの最終的判断している。

(志佐) GIS九州は無効入札ではないか。

(総務部長) 18726日に入札をおこない。8月に契約をして事業は済んでしまった。その後は契約上の関係になるから不正があった場合のその後の処置ということになる。契約した以上、その不正に関しては刑の確定後に損害賠償等の請求もできると解釈している。 

(志佐) 市としての解釈か。

(総務部長) 契約前の行為は一方的に市の行政判断として無効にすることができる。

(志佐) この問題に関して住民訴訟に発展している。原告のインターネット上の掲示板があるが、市の関連のパソコンから見られないようにロックされていた。その目的はなんのためにしたのか。

(総務部長) 市職員向けにはフィルターがかけられている。自動的に作動したもの。

(志佐) 人権問題にはならないか。

(総務部長) 市の日常使うパソコンである。不用な部分は除いている。

(志佐) 市長は法令順守の徹底をいわれている。契約の解除か入札はもととも間違っていたのだから入札そのものがなかったとして対応できるのではないか。

(総務部長) 7月の入札は結果的には不正が行われていたという容疑がでている。

解除は契約が終わっているのでできない。入札時点であれば無効となる。不正が成立した段階で明らかな損失があれば損害賠償の形になる。

(志佐) 公序良俗に反しているから無効といっている。GIS九州は指名停止を受けたが会社の損失はない。

(総務部長) 唐津市だけでなく指名停止を受けている。

(志佐) 不正に甘い市長という烙印を押されないか。

(市長) 法令を遵守することは当然。不正にたいする憤りを感じている。市に損害があったとすれば当然損害賠償を請求するつもりである。再発防止委員会の中でも現在議論をされている。市の損害の存在が明確に見えてこない。ただちに市の損害に結びつかないとうかがっている。業者へのペナルティーは1年間の指名停止をおこなっている。県ほか多くの地方公共団体でも指名停止等をして社会的制裁をうけている。損害賠償の提訴がされていて裁判がはじまりましたので裁判の行方を見守りながら対応していきたい。

事件に関してことの重大さ、発覚直後から再発防止委員会を立ち上げ、質問制度の導入、入札制度の改革、職員の処分、できる限りの対策を実施している。再発防止調査委員会では弁護士さん等第三者を含めた新体制で不正の未然防止に向けた専門的な研修制度の導入等新たな提案もある。再発防止に向けたさらなる制度体制を整備し、市民のみなさんの信頼回復を全力ではかりたい。

 

<吉原まゆみ>

後期高齢者医療制度に向けどう向き合うか

 

 日本の社会は高齢者を祝う社会だが長生きは喜んでいいことか。

(市長) いつまでも長生き、元気で長寿国がいい。制度は何かの基本があるから開設されたと思う。わが国も唐津も長生きをして幸せを願っている。

(吉原) 「長生きしたらだめですか」「年よりは早く死ねということですか」と声が出ている。

 受けられる医療が年齢で差別されるのか。在宅での治療する医師、看護体制に後期高齢者を見つける体制を病院内につくり、その患者の退院、支援計画をつくり退院させた場合、報酬を加算する後期高齢者退院調整加算や医師が回復困難と判断した患者、家族と終末期医療の診療報酬を話し合い文書などにまとめたとき報酬を加算する後期高齢者終末期相談支援料など報酬が後期高齢者限定で導入されている。

 なぜ75歳以上という後期高齢者だけを区別し限定しているのか。

(市民環境部長) 従来の老人保健制度の対象が75歳以上であり、今回の高齢者医療制度についてもそれに基づき75歳以上が対象になっている。その心身の特性、就業状態、所得の状況をふまえそれに見合った独立の医療制度ということで創設された。

(吉原) 終末期患者に多額の医療費がかかり、在宅死が全体の2割にとどまっているのが問題として、これを4割に増やせば医療給付費を5000億円削減できると試算している。終末期を充実させる看とりの医療だといっているが、どこが長寿医療制度か。きめ細かな医療か。

(市民環境部長) 見直しをはかるということで昨日政府与党の高齢者医療の円滑な運営のための負担軽減等について見直し策が打ち出されたところである。診療報酬に係る終末期相談支援料や後期高齢者診療医療についても速やかな改善、具体的な研修作業に着手する。

(吉原)  健康保険や共済保健の扶養者が74歳で亡くなった場合、葬祭費が5万円支払われるが75歳からは後期高齢者医療に移行するとそれが3万円になっている。

 リハビリが必要な方は3ヵ月で病院を追い出される。机上では計画できるかもしれないが、生身の人間を扱う医療になっていない。

(市長)  高齢者医療の円滑な運営のために負担の軽減対策ということで発表された。負担軽減の声が反映されているのではないか。私自身もいろいろな声を聞いていきたい。

(吉原) 政府のチラシには、「後期高齢者医療制度になっても医療内容は変わらない

74歳までと変わらず必要な医療を受けることができます」と書いてある。市が説明に出かけた際どのように説明しどのような意見が出たのか。

(市民環境部長) かかりつけ医ですが、包括払い方式は特定の疾患に制約の報酬が支払われる定額制がとられている。受信した人が希望した場合のみ適用される。

 仕組みの問題で広報してきた。説明をしていなかった。今後検討がされると思う。

(吉原) 医療内容はいままでとちがうのではないか。外来診療で高血圧疾患、糖尿病、不整脈、認知症など慢性疾患の処置にかかる治療を月6000円で頭打ちのにする診療報酬の包括払い制度にたいして、医師会などは心筋梗塞や脳梗塞で特別な薬を使っている場合には、月1回の血液検査があり、その検査ができなくなる。医療制限を招きかねない。と批判の声があがっている。

 複数の医療機関にかかりにくくするのは明確である。

 65歳以上の寝たきり、障害者の方は何人か。またこの制度が始まりどうなっているか。

(市民環境部長) 65歳以上の寝たきりは、570人いる。

(吉原) 65歳から74歳の障害者の方は後期高齢者の医療保険料といまの国保税を比較して検討する必要がある。後期高齢者に入らなければならない。そのときに周知徹底はどうされたか。申請をしない限り後期高齢者医療制度に決まってしまう。いまのままでいいと申請されたのはどのくらいか。

(市民環境部長) 従来の老人保険制度ですでに認定を受けておられる方は、こんどの後期高齢者制度に移行しても引き続き障害認定者として取り扱うことになっている。障害認定の撤回もできる。市として老人保険制度の障害認定を受けている対象者に新制度への移行について選択できること、保険料や医療費の窓口負担等を比較した上で新制度に加入せず障害認定を撤回できること知らせてきた。撤回者は85人。

(吉原) 自分で説明を聞くことができない人にはどうしているか。

(市民環境部長) 家族に連絡して説明している。

(吉原) 社会保険の被扶養者の後期高齢者負担はなくなった。この保険料は。

(市民環境部長) 2年間所得割はかからない。均等割は半年間無料。

(吉原) 保険料は年金天引きされる。厚生労働省は所得の少ない人が保険料負担は下がるといってきた。調査の結果所得の少ない人ほど保険料の負担が増えた人が多いとわかった。

部長は認めるか。

(市民環境部長) 増加する世帯もある。全体的に減少する世帯が7割と出ている。

(吉原) 高齢者の6割が年金収入だけの世帯、年金が200万円未満の方は全体の4割以上、100万円未満の方17%。国保は世帯で保険料を払っていた。後期高齢者医療制度は一人ひとりが対象。市の対象者は17299人。年額18万円以上しかない、月15000円以上もらっている方が自動的に天引きされる。天引きの対象は何人か。

(市民環境部長) 天引き者は11902人。

(吉原) 残りが普通徴収か。

(保健年金課長) 6月からの普通徴収者が2147名。年額18万円未満の方は765名。

(市民環境部長) 6月からの普通徴収2147名。10月から1割負担が3250人。

(吉原) 夫が年金収入200万。妻が無年金の場合はどうなるのか。

(市民環境部長) 妻の国保税は年額33200円。1月当たり2800円程度。夫の保険料は79200円。1月当たり6600円。

(吉原) 国保世帯と比べると保険料は上がっている。65歳から74歳の国保税のも年金天引きも始まる。説明は。保険料が払えないとどうなるか。

(保健年金課長) 10月から年金天引きをおこなうことにしている。広報は2月の市報で知らせた。年金天引きであり払えないことはない。

(吉原) 1年間滞納すると保険証取り上げは義務化されているのでは。

(市民環境部長) 1年間滞納すると資格者証対象になる。機械的にはせず、相談に応じ、よく聞いて対応している。

(吉原) 保険証がないと受診が下がるということがある。資格証の発行は取りやめるべきだ。

(市民環境部長) 資格証明書は、相当の収入があるにもかかわらず保険料を納めない悪質な場合に適用することになっている。本当に困っている人が資格証明書ということにはならない。

(吉原) 保険料は2年ごとの見直しされる。保険料改定はどうみているか。

(市民環境部長) 一つは、広域連合が平成20年度、21年度の保険料算出した、過去数年の老人医療費の実績、平成20年度後期高齢者医療費の実績により、総医療費を見込み、給付費など総支出から国、県、市の負担金5割、支援金等4割を差し引いた1割を賦課することで所得割、均等割を算出する。一方負担率の改定方法がある。世代間の負担の公平感を維持するために人口構成に占める後期高齢者と現役世代の比率変化に応じてそれぞれの負担割合を変えていく仕組みが導入される。 

(吉原) 将来の後期高齢者の負担が上がるのは確実。医療費の国の負担を引き上げることが必要ではないか。市として独自に負担をすることは。

(市民環境部長) 国保も介護保険も考えなければならない。財政状況を考えるときわめて困難。

(吉原) 財源は、大企業や高額所得者の減税を元に戻すことが大事。医師会も日本共産党をはじめとする野党も後期高齢者医療制度の廃止を求めている。市長は、後期高齢者医療の中止を国に求めるべきではないか。

(市長) 根本的に年々増え続ける高齢者の医療費を社会全体で支えるということで現役世代と高齢者世代の負担を明確にして公平でわかりやすい制度とする。75歳以上の高齢者の特性に応じた医療サービスをおこなうこと、さらに制度の運営を都道府県単位でおこない

財政の安定化を図る等を目的に41日から実施されている。

 制度のルールの変更は難しいことと思う。しかし、中身については政府与党協議会で軽減対策等が決定された。高齢者のおかれている状況に十分配慮し、きめ細やかな措置を早急に講じるとともに広く国民に周知するとされている。内容のほうは少しずつ、声を聞きながらそれに沿うように変わってきている。制度の趣旨、必要性、今回の措置並びに昨日出た軽減対策等含めて市民の理解を得られるよう努力したい。

(吉原) 国庫負担が減っていることにメスを入れるべきだ。75歳という線引きを残したまま小手先の見直し、凍結でなく廃止を求める。