日本共産党唐津市政報告
2017年12月
旧唐津日赤病院跡地
市民の健康づくり拠点に
新保健センターと教育機関
 12月議会では22日、一般会計補正額56億3638万円を含む39議案、総額721億3805万円の予算を可決しました。
 主な内容をお知らせします。
 二タ子にある旧唐津赤十字病院の跡地に、新たに歯科口腔の休日診療保健センター含む「新保健センター」を約6億円の事業費をかけ、平成31年度の利用開始を目指し整備します。
 市では、旧日赤跡地を「市民の健康づくり拠点施設」として位置づけています。
 
建物、無償で譲り受け
 約2万uの病院敷地は市有地で、建物は日赤病院の所有です。耐震補強がされている南病棟と管理棟は市が無償で譲り受けます。耐震補強がされていない本館は、日赤病院によって解体工事がすんでいます。3月までに「さら地」として市に返還されます。
 
歯科休日診療は3階
 南病棟の「新保健センター」は、1階を検診スペースとして「特定健診・がん検診」と事務室。2階を母子検診スペースとして「乳幼児検診・育児相談・栄養教室」。3階を歯科口腔保健センターや運動室、会議室として利用することにしています。
 休日の歯科口腔治療は、これまで歯科医師会が輪番制でおこなっていましたが、2019年(平成31年)度から保健センターで歯科診療を行うことになります。
 診療時間は、歯科医師会との協議中ですが「午前9時から午後4時まで」を予定しています。
 駐車場の一部は、「市民の健康広場」として整備することが決まっておりますが具体的にはこれからです。
 
管理棟には、青少年支援センターなど
 管理棟(一部5階建て)には、旧大成小学校にある青少年支援センターや適応指導教室、図書配送センター・障害者団体などなどが入る予定です。
 旧大成小学校は空き校舎となるため、校舎の解体費負担を条件に、早稲田佐賀学園にグラウンドを無償貸与することが決まっています。
 
 汚染土の撤去 3月までに完了
 解体工事が進んでいる土壌から、基準値を超えるフッ素や水銀などの汚染物質が検出されましたが、今年3月までには、完全に撤去されることになっています。
 県環境課によると、地下水調査で「健康に影響する数字ではない」としています。
 
唐津赤十字病院は、1957年(昭和32年)10月に、唐津市民病院の経営を引き継ぐかたちで現地で開院しました。
 整地作業がすすむ旧唐津日赤病院跡地は、3月までに有害物質などは撤去されます。
 
市民へ寄り添う市政を
3会派が「統一要望書」を提出
 日本共産党唐津市議団と展望会、社民党の3会派5人は12月25日、平成30年度予算編成に向けて「統一要望書」(6項目)を峰達郎市長に手渡し、懇談をしました。
 上の写真(展望会の酒井幸盛議員は欠席)
 懇談で浦田関夫議員は、「職員による不祥事を正す取り組み」を、福島なおみ議員は「1中・5中の学校給食の早期実施や唐津焼を志す方への支援策」を、伊藤一之議員は「子どもの貧困対策」について、林正樹議員は「困った方へ寄り添う市政」をそれぞれ市に求めました。
 峰市長からは、「学校給食の無償化も大事ですが、まず1中・5中の給食実現や教室のクーラー設置など優先順位を見極めながら実現させたい」と発言。「高齢者の運転免許証返納について、唐津独自の取り組みをしたい」と語りました。
 
4月から水道料金22%値上げ
5年後も値上げを予定
来年は下水道に消費税10%
 水道料金が4月から22%値上げすることが12月議会で共産党以外の賛成多数で可決しました。
 市民からは「22%値上はひどすぎる」と批判の声が相次いでいます。 
 値上げ案では、市内の一般家庭の平均使用量である月15立方メートル(メーター口径13ミリ)で計算すると、1カ月料金は2944円で、改正前に比べて533円上がります。水道料金は2カ月毎の徴収です。
 値上げの理由として、「給水人口の減少や節水器具の普及に伴う収益減」と「老朽化した水道管や浄水場施設の更新に多額の経費がかかる」と説明しています。
 値上げ前から、5年後の値上げを計画していることも明らかになりました。
 旧市の地域は水道料金そのものの値上げは1993年(平成5年)以来となります。県内17の水道企業体で、低い方から2番目でしたが、値上げされると県平均の料金になります。
 
簡易水道と上水道の接続で借金
 唐津市は2005年(平成17年)の合併後、上場地域の簡易水道を久里浄水場と接続する事業を急ピッチで進めてきた事で企業債(借金)が膨らんでいます。 さらに、来年度から15〜20年間の計画で老朽管の更新に約88億円をかけて着手することにしています。
 
合併特例債を使えば 負担は抑えられる
 「合併に伴う配水管を延長する事業」には合併特例債を使うことができます。合併特例債は約7割を国からの交付金(援助金)が受け取れます。それを活用せず国の支援がない「企業債」を使うことや4〜3%の金利で借りているものもあり低金利への借り換えなど必要です。
 
市民の負担が増す 下水道も5年ごと
 福島なおみ議員は議案質疑で、「22%の値上げは、市民生活を圧迫する。内部留保金16億円の活用ができないか」と質疑しました。
 M田康裕水道局長は「負担感はあると思うが、安定して供給するための必要経費として理解してほしい」と答弁しました。
 「唐津市下水道事業経営戦略」によると「平成31年、平成36年の5年毎の値上げ」を予定しています。水道料金と下水料金が交互に値上げされることについては説明がされませんでした。市民にとって、来年4月には下水道料金、10月には消費税10%値上げとトリプルパンチとなります。
 
福島議員の一般質問
平和行政を市政の柱に
 福島なおみ議員は一般質問で、唐津市が「峰市長自からヒバクシャ国際署名をおこない平和行政に積極的に取り組むよう」求めました。
 「ヒバクシャ署名」は、昨年7月に「核兵器禁止条約」が国連加盟122カ国の賛同で採択されました。しかし、日本は賛成しませんでした。そこで日本の被爆者団体が核兵器廃絶のための「ヒバクシャ署名」を呼びかけています。署名を、毎年国連に届け、2020年まで核兵器廃絶の世界的な世論にして政治を動かそうと取り組まれているものです。
 峰達郎市長は、「市民の平穏な生活を守るため、核兵器の廃絶は必要不可欠である」と見解を述べましたが、署名への参加については、「活動内容等を見極めたうえで判断したい」と答弁し、署名の意志を示しませんでした。
 唐津市議会で「平和行政」を取り上げたのは、2012年(平成24年)6月議会での吉原真由美議員以来です。
 核兵器廃絶の運動は、世界的に広がりを見せています。昨年12月には、国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(アイキャン)」がノーベル平和賞を受賞しました。
 
唐津市と市民の取り組み
 唐津市では、原爆が投下された日と終戦記念日にサイレンを鳴らしています。
 市議会は、2006(平成18年)年3月に「非核平和都市宣言」を決議しています。
 学校では、平和公園や原爆資料館がある、広島県や長崎県を、知覧特攻平和会館がある鹿児島県を訪れたり「平和学習」が毎年おこなわれています。
 市民の取り組みでは、「平和美術展」が昨年29回目を迎えました。平和こその文化、芸術、地域の発展、韓国や中国との交流もできます。国際交流都市を掲げる唐津です。
 他の国の平和を我が事として考え、峰市長は、「ヒバクシャ署名」に署名すべきではないでしょうか。
 
24億円のボートレース競走事業収益
 ボートレース競走事業の売り上げが当初見込みから約10億円伸びて24億1317万円と上方修正する予算が出されました。
 増えた主な原因は、電話投票127%。協力場130%が伸びた一方で、唐津本場84%。ボートピア三日月91%の減少。ボートピアみやきは101%と横ばいです。
 競走事業収益金から響創のまちづくり基金積立金に2億円。国保特別会計赤字解消に1億円の繰り入れを行います。
 
アルピノの指定管理者の撤退
市の選任、監督の甘さ
 ふるさと会館「アルピノ」の管理運営をおこなっていた企業が撤退した一連の経緯を検証する産業経済委員会が「指定管理者の取り消しについては市の管理監督の甘さが起因したもの」と中間取りまとめを12月議会に報告しました。
 報告では、指定管理者制度の導入目的が、費用面における効率化のみに偏る傾向を厳しく指摘し、指定管理者の選定に当たっては、外部の専門家による審査の精度を高めることや経営破綻のリスク対策を講ずることも求めています。
 唐津市の指定管理者を選定する委員会には、これまで市幹部のみで担当していました。
県内10市のうち、有識者や住民といった庁外委員を登用している自治体が5市あります。
福島なおみ議員は、一般質問で、「指定管理者の選定委員に庁外委員を採用することを研究・検討するよう」求めました。
小形昌和企画部長は「検討してみたい」と答弁しました。
 
玄海原発避難計画
避難マップは原発再稼働あと
電力をつくるため、「避難訓練」
 12月におこなわれた、玄海原発対策特別委員会では、九州電力から「神戸製鋼所の製品データ改ざん問題を受けた安全性確認について」説明があり、再稼働の見通しを「3号機は3月、4号機が5月頃に見込んでいる」としました。
 市は、原発事故時の避難先や避難ルートなどを記したマップについて、市民への配布を「2019年(平成31年)2月ぐらい」と説明しました。
 
市民の安全より九電の再稼働優先
 これでは、避難マップ配布が玄海原発再稼働後になり、「市民の安全より九電優先」となります。
 市民の避難先は県内12市町と広範囲に及び、受け入れ市町と「広域避難対策協議会」は昨年11月に第一回の会合が開かれたばかりです。
 浦田関夫議員は、「少なくとも、避難マップ配布前に再稼働すべきではない」と求めました。
 櫻庭佳輝総務部長は「国の財源で作製する予定で、完成までには半年はかかる。全世帯に配布する」と答弁。
 
最終処分地選考説明会参加者に日当
 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場候補地の選考に向けて、経済産業省と原子力発電環境整備機構(NUMO)が住民向けに開いた意見交換会で、学生に日当や謝礼を渡していたことが明らかになりました。
 「原発から出る使用済み燃料であるゴミ」の処分方法が50年経っても決まらないエネルギー政策は改める時期がきています。
  
伊方原発差し止め高裁で初めての判断
 広島高裁は12月13日、「2018年9月30日まで伊方原発3号機を運転してはならない」という判決をしました。 
 裁判では、「火山の影響による危険性」について争われ、広島高裁は、伊方原発に阿蘇山噴火による火災灰が到達する可能性を指摘したものです。玄海原発も川内原発も同じような距離(130`)にあります。
 
30`圏内の自治体に 初めて同意権
 日本原子力発電(原電)は11月22日、今秋に運転期限の40年を迎える東海第二原発再稼働に向けた同意を求める自治体を、水戸市など5市を新たに加える方針を表明しました。
 これまで各地の原発では、同意は立地する県と市町村に限定していましたが、法律で定めたものではありませんでした。同意の対象を周辺自治体にも拡大するのは全国初めてです。
 一自治体でも反対すれば再稼働できなくなるなど、ハードルがよりたかくなります。原電は、今年3月までに新協定の締結を目指すことにしています
 
世論は再稼働反対
 佐賀新聞社が実施した県内世論調査(11月15日)では、玄海原発の再稼働に反対と答えたのは49・4%、賛成は42・8%と反対が連続して上回る結果となっています。
 市民から「電気をつくるのになぜ、私たちが『避難訓練』をしなければならないのですか」と一企業活動に住民が危険にさらされる事への疑問の声が多く聞かれます。
 
国道204号線整備(切木地区)
浦田議員の質問に答える
 
浦田関夫議員は、一般質問で「国道204号線の万賀里川・切木地区の歩道整備の進捗状況」について質問しました。
 交通量が多い国道でありながら歩道の整備が不十分で「危険で何とかして欲しい」と地元からも要望書が上がっています。
 中江勉都市整備部長は、「土木事務所によると、国道204号線の路肩拡幅工事等は順次実施していく。旧切木中学校の東方面へ約300bについては、平成30年度に詳細設計、地元説明を行うと聞いている」と答弁しました。万賀里川地区についても随時、整備することにしています。
 
東の浜の松原が浸食
来年度予算で対応
 
 東唐津在住の市民の方から「松の根が波で浸食され、むき出しになっている」と連絡があり、現地に伺いました。(写真)
 唐津シーサイドホテルまでのびる防風林のすぐ近くまで浸食が激しく「浜がけ注意」の看板も掲示されていました。
 「秋の台風の影響では」と住民の方はお話しされていました。
 井上ゆうすけ県議(共産党)は早速、唐津土木事務所に対応策を要請しました。土木事務所は、「工法を検討し、今年度中に業者に発注したい」と井上県議に回答しました。
 
 
動き出した新庁舎建設
庁舎建設へ「パブリックコメント」
 遅れていた庁舎建設が、やっと具体的に進むことになりました。
 新庁舎建設に係る特別委員会が中間報告したものです。
 完成までは、議会機能を本庁舎3階に一時移転し、現在の議会棟を解体。新庁舎建設を1期工事で行うことや、免震構造、新庁舎における議会機能は最上階(6階)に配置することなどを報告しました。完成は2021年(平成33年)2月を目指しています。
12月議会では、駐車場不足に備え西城内の駐車場用地取得と整備、文化財調査費7093万円が可決されました。
「新庁舎建設基本設計」をおこなうため、市民から意見募集(パブリックコメント)をおこないます。
提出先は、本庁や市民センターの窓口・郵送・ファクス・Eメールで受け付けます。(受付期間1月22日〜2月21日)「市報からつ」1月号でもお知らせしています。設計・計画(案)は、新庁舎建設室(本庁2階)、各市民センター総務教育課で閲覧できます。
 
ふるさと納税57億円
 自分が住んでいる以外の自治体に寄附をする事で返礼品がもらえる「ふるさと納税」が注目を集めています。
 唐津市でも、当初20億円の予想をはるかに超える約3倍の57億円に増える見通しです。
 前年度の3.23倍の伸び率です。唐津市では、牛肉、ハンバーグ、お米、ハムなどが人気です。
ふるさと納税制度は、都市と地方の税収格差の是正と、税金の使い道に対する国民の関心を高めることを目的に2008年(平成20年)からはじまりました。住民税と所得税から一定の控除を受けられる制度です。豪華なお肉やお米、フルーツなど納税する金額や自治体によって「さまざまな特典を得ることがでる」と寄附をする人が増えています。